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マムコミュニティトップママする子どもの教育>熱血教育コラム 指南の部屋

子どもの教育

熱血教育コラム 指南の部屋

子どもたちにとって「学ぶ」とはなにか。
カリスマ講師・ごとう先生が「教育」について、
わかりやすくママたちに語ります。

後藤武士先生  
青山学院大学法学部卒。新進気鋭の若手教育評論家として活躍中。
日本全国授業ライブ「GTP」を主宰し、北海道から沖縄まで講演。
■ごとう先生オフィシャルサイト http://www.takeshigoto.com/ 
>>もっと読む
http://www.takeshigoto.com/

January 13.2010

夢がかなう瞬間

イメージしていた生活と、現実は違っていた
 今回は少しばかり、ぼく自身のお話をさせていただきましょう。ぼくは2005年1月、初めて宝島社から本を出版しました。それを作家としてのプロデビューと考えると、今年で6年目になります。この原稿を書いている時点で、単行本・文庫本あわせて6冊のバックオーダー※を抱えています。仕事はかなりキツイのですが、おかげでどうにか執筆だけで生計を立てています。つまり、プロです。 ※バックオーダー:在庫切れ

 プロになって何が変わったか。実は、何も変わっていないような気がしています。曜日に追われるのを避けたくて塾をやめたのですが、今は、曜日ではなく締め切りに追われています。年末年始くらい、その雰囲気をゆっくり味わいたいと思っていたけれど、なんてことはない。今年も年末年始、仕事はぎっしりです。広くあちこちを旅したいと考えていたけれど、講演と取材、それに編集さんとの打ち合わせや顔合わせの他は、なかなか外に出ることができません。それどころか、講演先でそのままホテルにこもって原稿を書いています。どうにもイメージが違う。この仕事につく前に勝手にイメージしていた生活は、今とは似ても似つかないものです。

 最初は、有名な出版社から本が出せれば変わるだろうと思っていたのですが、何も変わりませんでした。増刷すれば変わるのでは? 変わりませんでした。ランキング入りすれば? 二冊目が出れば? 何度も勝手にハードルを設定したのですが、どれを超えても、イメージしていた世界はありませんでした。いったい、どこまで走れば楽になるのだろうと、何度も考えたものです。

目の前のやるべきことを精一杯やる日々
 昨年、たまたま歴史の文庫がヒットしました。オリコンと紀伊國屋書店の年間チャートにもランクインしました。さすがに少しだけ変わりました。同時に複数のオファーが来たのです。その中には、以前「あの出版社から出せたらなぁ」と考えていた出版社も複数ありました。なんだ、少しは変わっていたのかと。よくよく考えると、いろいろなことが変わっていたんですね。ただ、それがことごとく自然の流れの中で変わっていったものなので、変化に気がつかなかったんです。仕事を抱えているときは、とにかく締め切りのことで頭がいっぱい。仕事がないときは、不安で心がいっぱい。いつも目の前のなすべきことをはたすだけで精一杯の日々でした。出版記念パーティーなんて開いたこともないからわからなかったけれど、自分でも立ち止まって考えないとわからないくらい本を出していました。

 先日、たまたま累計部数を確認してみました。あれれ? おやまあ、いつの間にか100万部を突破。ありゃま、カウントダウンもくす玉もバンザイも大喜びもしそこなっちゃった。なんだか自分らしいなと苦笑しました。

無の境地とは
 ようやく本題です。ここで、またぼくは思い出したんです。「そうだ、目標って、意識しているうちは、かなわないんだよな」と。もちろん、これはぼくの話で、そうでない幸せな人もいるでしょう。それはそれで素敵なのですが、ぼくの場合は、どうも意識しているうちはダメなんですね。邪念のせいかな? とも思ったのですが、どうやらそうでもなさそう。つまり、こういうことなのです。ある目標を立てる。立てるだけでは、どうにもなりません。何をすべきかをつかんだら、歩き出さなきゃどうにもならない。そして、歩き始めます。おそらく、この歩き出すまでが、まず大変でしょう。でも、とにかく歩き始めるのです。歩いても、目標には簡単に到達しません。仕方がないので、走ります。でも、まだまだ目標は遠い。というよりも、遠いかどうかさえわからない。ここが境目だと思うんですね。ここであきらめてしまう人と、それでも歩き続けることができる人。実は、それだけのことじゃないかなと。さらに、歩き続けます。そうしていると、これはよいことなのか悪いことなのかわかりませんが、いつの間にか忘れてしまうんです。はじめの目標ですら忘れてしまう。それくらい夢中になって、それくらい打ち込んで、それくらい自然に空気のように動作をするようになる。いわゆる無の境地というのは、こういうものをいうのかもしれません。ここなんです。たいてい、ここに至ったときにふと思い起こしてみると……達成しているんですね、はじめに立てた目標。かなっているんですね、抱いていた夢。

ナビゲーター役は親御さんに
 受験の場合は時間という制約がありますから、ただバカ正直に学習を続けるのは必ずしもうまいやり方ではありません。けれど、歩きだした直後にゴールまでの距離を測るようでは、とても成功はおぼつかないと思うのです。少なくとも、それなりの大志を抱いたときは。わき目もふらずに打ちこむ姿勢。きっと、そうした姿勢は夢を現実にするカギだと思います。ただそのときには、どちらに向かって走っていくか本人にはわかりませんから、ナビゲーターやマネージャーは必要でしょう。これこそ、まさに親御さんにお願いしたい大役です。カウントダウンをしっかりとって、ゴールテープを準備した上での成功は最高でしょう。でも、がむしゃらにがんばって、「ちょっとちょっと、もうクリアしてない?」「え? あ、ほんとだ。俺、いつの間にできちゃったんだろう」そんな目標達成があってもいいと思うのです。夢のかなえ方は人それぞれ。今年もまた、多くの子どもたちが夢の実現に向かって着実に歩いてくれることを願いつつ、この文を終えることにしましょう。

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