「ヨガ=ポーズ」の思い込みから、子どもがおとなしくヨガのポーズをとれるのかしら・・・と心配しつつ参加したキッズヨガ教室。そこで知ったのは、自然体で暮らす快適さと、周りの人への思いやりだった。
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「ナマステ」
両手を胸の前で合わせ、安楽座の姿勢をとるインストラクターの高橋さん。その穏やかな表情から発せられた挨拶で始まったキッズヨガ。「ナマステ」がインドの言葉、ヒンドゥー語で「こんにちは」「ありがとう」を意味することは知っていたけれど、その元になる「目の前にいる人の瞳に映る自分を見なさい」という意味まではお母さんたちも知らなかったみたい。
「なんであんたはこうなの~」とカリカリ怒る前に、こんなことをしてしまったのはなぜか。この子の前での自分はどうだったか。それを考えましょうということ。ちょっと耳が痛いけれど、深いお話。
ヨガというからにはポーズ。安楽座のつぎのポーズは何だろう・・・と思ったら、高橋さんのつぎの声は「最初はアマガエルさんになりましょう」だった。子どもたちの“大きなお友だち”になったお父さんやお母さんたちも一緒にアマガエルになって飛び跳ねる。つぎはガマガエル、ゴリラ。ものまね遊びみたいだけど、この姿勢はかなり足腰にこたえる。ゴリラの腰を落とした歩き方では腿が、赤ちゃんのはいはいでは腹筋が悲鳴を上げる。からだの軽い子どもたちも、パンサーのゆったりした歩き方にはてこずっている。
さらに高橋さん、ナマステのポーズから、床に手をつきからだを持ち上げる。このクロウ(カラス)のポーズでは、ほぼ全員ギブアップ。できたのは小学校3年生のリクヒロ君だけだ。ヨガって筋トレだったのかぁ!?
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「面白いことが増えて、子どもの生活リズムがおとなに近づいてしまっているでしょう。子どものからだから考えれば決してよいことではないですよね。からだのリズムが地球のリズムとあっているかどうかで、生活の質は大きく変わってきます。それを私たちは小笠原・父島での暮らしで知りました。」
高橋さんはヨガを通じて、子どものからだのリズムを整えるためのアドバイスもしていきたいと、かつて小笠原でともに過ごした新井さんとこの教室を立ち上げた。
いまの子どもは遊びの中で自然に鍛えられるべき筋肉が育っていない。動物ものまね遊びでその筋肉を鍛えることで、子ども本来の、ヒト本来の生きる力が戻ってくる。おとなだって同じ。緩んでしまった筋肉に力を与えれば、からだも心も自然に近づく。
時計などなくても、まったく困らない。自分のからだが教えてくれる。からだのリズムに合わせて暮らせば、ぐずりがひどかった赤ちゃんや、落ち着きがなかった子が穏やかになっていく。
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この日、参加したのは3歳以上の子どもたち。赤ちゃんにマッサージなどを施すベビーヨガはよく聞くけど、少し大きくなった子どもたちのキッズヨガはまだそれほどメジャーではない。ベビーヨガは親子ともども、とても良い影響が見られるらしい。でも、自我ができ、親の保護下から出てさまざまなあつれきの中に飛び出していく時期、しかも、反比例して親との接触が減っていく時期のキッズたちにとっても、キッズヨガは貴重な体験。
最後にクールダウンもかねて親子で互いの胸をマッサージ。そのあと、子どもたちがお母さんのおなかに頭を乗せて横たわる。かつておなかの中にいた子どもたちは、今その外からお母さんを感じ、かつておなかの中で育てた子どもを、お母さんたちは少しだけそこから離れた場所に感じる。相手をしっかり感じること。それもヨガの教え。そこから心が通じ合い、関係は深まっていく。
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遊ぶようにはしゃいで動物になり、ディズニーランドに飛んでいってケーキでバースデーパーティーと時間旅行を楽しんだ子どもたちは、まだちょっとぎこちないけれど、この瞬間を楽しんでいる。
ちょっとぎこちないのは当然。初めて会った者同士、初めての体験だったもの。ぐずってしまった子もいたけど、ヒトはそれぞれ。集団で楽しめる者と自由にやらせてほしい者がいる。放っておいてほしい瞬間もある。それもまた自然な形。
一度の体験ヨガで理想の子どもになったら、そのほうがこわい。「毎日やってみて。いろいろなことができるようになるよ」と高橋さんが言うように、親子でピョンピョン、親子でマッサージを続けていけば、からだもしっかり、心もつながる。その方法を教えてもらった今日の機会に感謝。「ナマステ」。
最後にもう一度、みんなでクロウのポーズをやってみたよ。今度は何人かができた。すごい。練習すればできるようになる。高橋さんの言うとおりだね。

<主催者からのメッセージ>
昔なら、みんなやっていたであろう「木登り」や「思いっきり走り回る」こと。
それが、現代ではなかなかできない環境にあります。
キッズヨガのポーズには、子どもが本来持っている、身体のパワーを思う存分使うコツがいっぱい!
その中の、子どもたちが大好きな動物のポーズは、おとなより子どもの方が上手。
私は、「猫のポーズ」がとっても上手な娘を、いつも尊敬しています。
キッズヨガをしているときは、ママと子どもではなく「大きな子どもと小さな子ども」。
育児には、上から目線ではなく、ママと子どもがお互いに尊敬し、励まし合う時間も必要なのではないでしょうか。

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