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届かなかったラヴレター

応募作品紹介~ちーちゃん

切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。


毎年来る誕生日が前年と違った日になっ
たのは3年前から。その年の夏は例年に
ない酷暑で「熱くなりすぎた道路に蜃
気楼が現れた。」と新聞にのった。
父のいた冷暖房完備の療養病棟のベットか
らでは季節を肌で感じる事すらできないが
頭を無理に持ち上げれば庭の木が今にも干
からびそうなのはわかったかもしれない。
微熱が続き、抗生剤を入れてもいつもの様
に軽やかに平熱にならなかった。ある朝、
「父が危ない。」と母からの電話を受け、
2歳だった娘をたたき起こし、父のところ
に向かった。療養病棟の玄関先で父の命が
消えてしまった事を知らされた。私の誕生
日の前日だった。姉の誕生日は祖父母の命
日にはさまれている。そうなると私の誕生
日しかない。「パパのこと、忘れちゃ嫌だ
よ。」人一倍、寂しがりやだった父のバー
スディメッセージが今年も聞こえてきそう
だ。

「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。

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