届かなかったラヴレター
応募作品紹介～しょうこ姉ちゃん
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
「じいちゃん、大きくなったら、温泉に連れて行ってあげるからね」
「おぅ、そりゃぁ楽しみだなぁ」
そう言うあなたの眼はもう本当に嬉しそうで、
今にもその日が目の前に来ているような気がしました。
それがどうして交通事故に、どうして記憶喪失になんかになっちゃったの。
明日が私の誕生日という日、あなたは逝ってしまいました。
「お前が死に水を取れ」と父に言われ、言われるままに淡々と取りました。
そして裏庭に出ると声を殺して泣きました。
強情で可愛げのない私を、世界中でたった一人、無条件で愛してくれたあなた。
もの心ついた時から、ずっとそばにいて守ってくれたあなた...。
あなたの記憶は消えたけれど、私は誕生日の度にあなたを鮮やかに思い出します。
温泉には連れて行けなかったけれど、
あなたの「なんでも一生懸命」の言葉を連れて、私は今日も生きています。
「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。
