届かなかったラヴレター
2017年今井雅子賞~中野さん
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
母へ あなたはいつも、わたしたち家族の真ん中に居た。
あなたが悲しめば家中が沈み、あなたが笑えばみんなが笑った。
あなたが帰らぬ人となった時、私は今まで当たり前に手にしていた全ての物を失っていく様な気分になった。
家族が食卓に着くときも、そこにあなたの料理が並ぶことはなく話を聞いてくれるあなたが居ない。
けれど、あなたが居た頃にはなかった習慣が1つ生まれた。
「今日わたしが買ってくるね。」 あなたに供える花である。
とても好きなのに、アレルギーで家に飾ることができなかった母のための花。
枯れると誰となく「今日はわたしが。」と買いに出る。
今日もこの家にあなたは居ない。
けれど、食卓にはあなたの味をお手本に作られた料理が並び、あなたを思って選ばれた花が、あなたの笑顔に似た明るさで咲いています。
「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。