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教えて!ごとう先生

大学入試対策について

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. 大学入試対策について

20150311_ph.jpg春から高3になる息子のことで相談です。高校は英語カリキュラム重視の国際コースで、英語が得意なのでAO入試での受験を考えています。今はTOEIC対策のため短期で個人指導の塾に通っていますが、今後AO入試対策としてどのような勉強をしていけばよいか、どのように塾のコースを選ぶべきか悩んでいます。小論文と英語に特化するべきなのか、一般入試も見すえて対策すべきか、教えていただけますか。

(HN:アロン)

A. 将来と成績を考えて選択して

指定校推薦があるならチャレンジして

いただいた情報からは他教科の成績がまったくわかりませんので、一般的な、いわゆる国際コース在学者の大学受験についてお話します。考えられる受験パターンは3つ。指定校推薦、AO、一般です。

このうち可能であれば一番うまみがあるのは指定校推薦です。ほぼ100%を含むかなりの高確率で合格が期待できること、早期のうちに進学先が決まるので手ぬかりのない進学準備が可能かつ残りの高校生活も楽しめること、一般入試では学力的に合格が厳しい学校への入学が可能なこと、大学入試にかかる諸費用が安くすむことなどのメリットがあります。春から高3ということですと、すでに事実上、枠が埋まってしまっていることも考えられますが、正式に決まるのは3年の夏以降でしょうから、これまでの定期テストの評定がよく、その他の活動などで特記事項があるようでしたら、チャレンジして損はないと思います。ただし、もらえたらもうけものくらいで考えておいた方がいいでしょう。

AOなら選択が大切になる

希望の大学の指定校枠がない、今からでは間にあわないなどの場合は、AOが現実的な方法となります。AOの場合は、入試で問われるスキルは千差万別。また、集団面接では組みあわせの運不運も大きく影響します。ゆえに、これが効果的という手法はない(正確には、ありすぎて個別事象がはっきりしない以上、的をしぼれない)のですが、あえてひとつあげるなら、志望校志望学部志望学科の選択が大きく物をいいます

ようするに、いかに自分の資質にあった学校を見つけ選択できるか、自分の持っている能力を高く評価してくれる学校、「互いの」ニーズがマッチした学校を選べるかということです。学科はもちろん、ときにはコース単位までアドミッション・ポリシーを理解し、うすっぺらではない志望理由が作成できるかどうかが決め手となるでしょう。ですから、小論と英語も大切ではありますが、面接でのコミュニケーション、口頭試問で瞬時にメリハリある対応ができるなど、就活的スキルも大切です。

一般入試はレベルにより変わる

最後に一般入試ですが、これは得意の英語がどのレベルなのか、他教科の成績はどの程度望めるのかによります。センターの過去問で9割以上取れるようなら、地域、学部学科を選ばなければ、英語だけで国公立も十分射程範囲です。そこまでではないけれど8割は硬い、それに加えて他に2教科の得意教科があるのなら、ターゲットをしぼった学習で早慶までねらっていけます(ただし科目の組みあわせによっては不可)。

もちろん、ここでいう得意というのは、学校の定期テストやコース内の順位のことではなく、センターを始めとした過去問レベルでの話です。中には「3年の範囲はまだ履修していないので」という生徒もいますが、3教科型受験に必要な分野は、このタイプの受験で合格する子なら、すでに2年時までにだいたい履修ずみですから、もし未履修を理由に過去問への挑戦をこばんだり、やってみたけれど3割程度しか取れなかったりということであれば、現役では間にあわない可能性が高いといえるでしょう。

留学という選択もある

もうひとつ、別の進路として留学、もしくは学部在籍時の留学(短期留学ではない)を前提にしてくれている大学への進学というのがあります。将来食える食えないだけを考え、あえて高校で国際コースを選択しそこで学んだことを活かすのであれば、これがベストの選択肢かもしれません。

ただし、うまくいくには条件があります。まず、本人はもちろん親も既存の日本の企業や大学のランク・ヒエラルキーを気にしないで、名を捨てて実を取る覚悟があること。
次に、まわり(大学進学の場合はその大学)に、留学型でのキャリア形成に通じていてルートも持っている人が存在すること。このふたつの条件をクリアできるのであれば、今後の日本を考えた場合、10年後には「あの時は迷ったけど、今となったら留学して正解だったね」と言えるような気がします。

でも、ふたつのうちどちらか一方でもひっかかってしまうようなら、コストを回収できない留学やお遊び留学になってしまったり、スキルに見あわぬ就職を目指して失敗してしまったりする可能性が高くなりますので、オーソドックスな従来型の進学を心がけた方が無難でしょう。

いずれにせよ基本は、冷静かつ客観的な自己分析と、学科・コースレベルでの情報収拾と情報分析にあります。もちろんこれは遅くとも3年進級前にはすませてしまわねばなりません。家庭の事情もからむテーマですから、親子でしっかり材料を集めて相談し、その上で学校や塾の先生からのアドバイスを受けるとよいでしょう。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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