• ようこそ ゲストさん
  1. HOME
  2. ライフスタイル
  3. 教えて!ごとう先生

教えて!ごとう先生

将来のための英語の勉強

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. 将来のための英語の勉強

20160622.png  春に高校入学した娘が、将来のために英語を勉強したいけれど具体的に何をすればいいかわからないと言います。高校受験のときに家庭教師をお願いして英語長文が多少読めるようにしてもらいましたが、将来のためとなると、英会話教室に通うのがよいのかと悩んでいます。娘は勉強ができる方ではないので偏差値の低い高校に入り学校の勉強は楽勝だそうで、推薦で大学へ行きたいと希望しています。将来のために今しておくとよい英語の勉強は、何でしょうか?

(HN:炭酸大好き娘ママ)

A.英語を習得して何がしたいかを考えよう

英語の勉強を神経質に取り組む必要はない

 あまり誇れることではないのですが、私、炭酸なしでは生活できないんです。だから娘さんには大いにシンパシーを感じます。また炭酸大好き娘ママさんにも「娘は勉強ができる方ではない」という冷静な分析に好感を抱きました。 思いっきり本音でアドバイスさせていただきます。
 「将来のために今しておくとよい英語の勉強は、何でしょうか?」に対する私の答えは「特にない」です。正直、娘さんの現状レベルでいわゆる学校英語に取り組んでも、さして得られるものは大きくないと思います。無論、推薦には大いに影響するでしょうし、それによって大学進学への選択肢は広がるでしょうが、それとて「偏差値の低い高校」のレベルでは知れています。そのレベルで推薦がもらえるような大学は、たいてい一般受験で合格できちゃいます。ですから、そこにあまり神経質に取り組む必要はないでしょう。
 しかしながら、娘さんには大いに資質を感じます。それは炭酸好きゆえの身びいきではなく、おそらくつけ焼き刃だったであろう高校受験前の学習で、まがりなりにも長文が読めるようになられたこと、偏差値の低い高校ながら「楽勝」と言えるレベルで成果をあげておられること、進学を言い出しにくい環境であろうにも関わらず「推薦で大学へ行きたい」と意思をしっかり持たれていること、これらから推察するに娘さんはハマるとおもしろい人材だと思います。

海外に興味を持ってもらおう

 そこで私がオススメしたいのは、英語の勉強自体ではなく、英語で何がやりたいのか、英語ができるようにして何になりたいのか、それを知ってもらうことです。いや、まずは関心を持ってもらうことが先でしょうか。具体的には日本以外の国で欧米以外の国にはどのような国があるのか、どのような経済状況で、人々はどのような生活をしていて、そこに住む日本人はどのような生活を送っているのかというようなこと。一方国内に目を向けると英語を活かした職業にどんなものがあるのか。ただし後者に関しては、それなりの高校大学出身者のモデルケースが多いでしょうからあまり参考にはならないでしょう。一方で前者においては日本での出身高校大学の序列に関係のないところでの成功例はたくさんあります。これらは大いに学習意欲を刺激してくれることと思います。

まずはお母さんが研究して

 ただしいきなり娘さんにやらせず、まずはママさんがざっと眺めてみること。なぜなら娘さんにいきなり研究させると、海外生活に一方的な憧憬を抱いてしまい、コストパフォーマンスや実現性に見合わぬ将来像を妄想してしまう可能性がありますから。中高生というのは与えられている情報が限られていますから、我々以上に刺激に弱い。余談ですが、大学祭を見に行ったりオープンスクールに参加したりするに際しても、ここが気をつけてもらう点で、よほどひどい内容でない限り、中高生というのは最初に行った学校に大いに刺激を受けちゃうんですね。
 ママさんが1ヶ月程度、様々な例をご覧になられた後で、娘さん本人と会話をしてみてください。「英語をどうしたいのか」ではなく「英語で何がしたいのか、何ができるのか、どうなりたいのか」についてじっくり語り合う。その過程において、予習が活きます。「実はこんなケースもあるみたい」とか「こういう仕事もあるんだね」と提示してあげる。もちろん無理強いではなくヒントとしてです。
 推薦ねらいである以上、どのみちやることは今のところ学校の授業にしっかり取り組むことだけです。問題は大学にどう受かるかではなく、英語なら英語の能力を身につけて何をしたいかということ。身に着けるべく英語のスキルの内容だってそれによって大きく変わります。ビジネス文書が読めたり契約書が書けたりすることと、スラングを含めた雑談レベルの日常会話をストレスなくこなせることは別のスキル。何をしたいかによって、必要とされるスキルも変わる。幸い、時間はあります。世界には思いもよらぬような仕事や生活があります。好奇心優先でOKですから、いろいろな国、いろいろなライフスタイルに目を向けてみましょう。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

«前のページへ教えて!ごとう先生TOPへ次のページへ»

ページの先頭へ

この記事が気に入ったら「応援する」ボタンをクリック

応援する