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教えて!ごとう先生

友情か睡眠か?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. 友情か睡眠か?

20160622.png  中学2年の息子は部活に力を入れていますが、高校進学のためには今からがんばらないと志望校には行けない状態なので、中学に入ってから塾に通わせています。塾では寝ていることもあるそうですが、家ではダラダラしているだけですし、兄弟の邪魔も入るので、今は毎日欠かさず行かせています。問題なのは、帰り道で友だちと会うと話して帰ってくるので、帰宅が1時間以上遅くなることです。この1時間がひびいて寝るのが遅くなり朝起きられずの悪循環が続いています。同じ部活の友人たちらしく帰りづらいのもわかるので、このまま様子見していた方がいいのでしょうか。

(HN:元気なまま)

A.おしゃべりは様子見でいい

現実的な目標設定をしよう

 「元気なまま」さんは元気でいらっしゃるのですね。まずは何よりです。アントニオ猪木ではありませんが、元気であれば大抵のことはどうにかなりますから。
 さてご質問の件ですが、様子見でいいんじゃないでしょうか。「たかが1時間されど1時間」ではありますが、息子さんの場合、この1時間がさほど物を言うようには思えません。なぜなら「家ではダラダラしているだけ」「兄弟の邪魔も入る」ような状況ですから、1時間早く帰宅できるようになったところで、ダラダラする時間が1時間増えるだけなのは目に見えています。問題はそこじゃないですよね。部活そのものはともかく、帰宅途中のおしゃべりなどはクールダウンのレベルでしょう。
 塾でもたまに寝てしまって、家でもダラダラということは、そもそも目標意識が明確ではないと考えられます。親の一方的な希望であったり、現在の能力に不相応な志望校であったりということもあるかもしれません。まずは現実を見据えた上で目標設定をやり直すところから始めるとよいのではないでしょうか。
 志望校が今より上にあるのは構いませんが、そこまでの道筋がイメージできないような目標ではどうにもなりません。目一杯努力して背伸びして筋が切れるほどに手を伸ばせばどうにか指の先が届く、欲ばってもそこまでです。それより上の非現実的な目標だとモチベーションには直結しません。現実的な目標を本人自身に決めさせる。その上でどこまでの覚悟ができるかを問うてみることです。

環境を整えてあげて

 それができたら次は環境の整備です。本人が覚悟を決めやるとなった以上、そのための環境は整えてやらねばなりません。塾はレベルや性格にあった塾なのか、もしそうでなければ転塾する必要もあるでしょう。またダラダラできるスペースとは別に学習に打ち込むスペースを準備してやることも大切です。兄弟にも言い含めて、時間を定め邪魔をさせぬように働きかけましょう。物理的にそれが無理な状況であれば自習室完備の塾を優先して探すとか、ダイニングを開放するとか、様々な工夫で乗り切ってください。なあに元気であればできます。

部活を見直すのも手

 ひとつ心配なのが、息子さんの怠慢が部活そのものに起因している場合です。部活は体力も精神力も消耗させます。その上、教育の一環というカテゴリーで扱われていますから、子どもも部活をやっている時間や部活への努力を、学習ができない言い訳にできてしまう。おまけに顧問も無責任に「部活を途中で辞めるやつは」とか「部活で培った集中力と体力は」なんて言うものですから、子どもたちはこれを盲信してしまう。だいたいそういうことを口走る顧問に限って、引退したら進学の面倒など一切見ない。ごく一部の優秀な選手に推薦をして終わり、こんな無責任な進路指導も残念ながら日本中で見られるものです。もしこうした状況であれば、対応はかなり難しくなります。部活と並行して受験準備を進めてくれる地元密着の塾に頼るか、部活優先型ではない先生に相談するか、本人にも部活では将来飯が食えないことを十分に肌身で感じてもらう必要があるでしょう。それを承知の上で「今は部活に集中したい」ということであれば、それも仕方がない。ただし「今は」の「今」だけでなく、来年にも数年後にもこれから先にも引き継がれる今であることは教えてあげておきたいところですね。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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