キャリア･マムは女性の働きたい気持ちの一歩を応援します

Ｑ.　引っ越し

　主人が隣県へ転勤になりました。かろうじて通えるので、現在は車通勤してもらっていますが、いずれは引っ越しを考えています。私が勤めはじめたばかりなのと小学２年生の娘が学校に慣れたばかりなので、高学年になってから引っ越そうと考えていました。しかし、ママ友から「娘さんのことを考えたら、低学年のうちに引っ越してしまったほうがいいんじゃない？」と言われました。人見知りな娘がせっかく慣れた学校を離れるのはしのびないのですが、転校は低学年のうちのほうがいいのでしょうか？

（ＨＮ：キラキラ）

Ａ．進級や進学のタイミングがいいでしょう

遠距離の車通勤も転校も大変

　転校というのは子どもにとっては大変なイベントですよね。なにせ有無を言わさず少数派で新参者になってしまうのですから、よほど鈍感な（この場合は、ほめ言葉）子以外は程度の差こそあれ苦労を背負い込むことになる可能性も高いといえるでしょう。ゆえに避けられるものなら避けるにこしたことはないと思います。まして人見知りな娘さんがせっかく時間をかけて今の学校になじむことができたのだから。というわけで、避けることが可能であれば避けたいというのが本音です。
　実は私自身も小学校で２度の転校を経験しています。ゆえに決して転校はすすめないのですが、一方で車を利用した遠距離通勤の経験者でもあります。その立場でお話させていただくと、これは確かにきつい。特に昨今は世情を反映してか、マナーの悪いドライバーも少なくなく、そうした状態を解消してあげたいというキラキラさんのお気持ちもお察しします。
　そんなわけで、なかなか難しい事態なのですが、これからどんどん伸びていく娘さんに対し、ご主人は無理が効きにくくなることが予想されます。それを考慮すると「いずれは引っ越し」というお考えは適切といえるでしょう。

引っ越しのタイミングは進学時が理想

　さてそこでようやくご質問に戻るわけですが、転校が決定的ならどこで踏み切るべきか。理想は小学校卒業からの中学進学のタイミングですね。引っ越す先が中学校の選択肢が多い都市部でしたら、迷うことなくそのタイミングを選ばれるとよいと思います。
　ただし１小１中に近いような公立しか選択肢がない郊外や地方ですと、メンバーの入れ替わりから得られるメリットはほとんどありません。その場合は、やはりできるだけ早く、ただし学年の切替え時など早いうちというのが現実的な善なるタイミングになると思います。転校にともなう苦労はいつだって変わらない。ならば先生の力が介入する機会が多く、またそれが比較的効果的な低学年のうちのほうが守ってもらいやすいと思います。仲間意識というのはつまるところ共感できる事柄の多さや共通の体験の多さです。それを思うと修学旅行など大きなイベントへの思い出は共有できるほうがいい。先送りにすることによって逃れられるなら話は別ですが、そうでないのならやはり早いほうがいいでしょう。

引っ越し後のフォローが重要

　ある意味、厳しい決断を迫られることになってしまうのですが、ひとつ救いがあります。それは娘さんが人見知りでいらっしゃるということです。転校では前の学校で目立っていた子ほど新しい学校に溶け込むのは難しくなります。目立っていた子は前の学校でも一定の地位を保持していたことが考えられますが転校ではそれを強制的にリセットされます。一方で人見知りでありもし仮に引っ込み思案であったならば、そもそも学校やクラスで目立つこともないわけで、やや言い方に難がありますが、失うものは少なく、また近年のイジメの特徴を考えても目立たぬ状態で流されるタイプの子はターゲットにもされにくいので、その点でもむしろ人見知りであることはメリットとなります。
　そんなわけで私ならば学年切替えのタイミング、転校先がクラス替えのある学校ならクラス替えのある学年切替え時の転校を推奨しますが、いずれにせよ重要なのはキラキラさんによるフォローなのは言うまでもありません。近くに引っ越せばご主人の通勤への負担も減ることでしょう。その分、ご主人にも協力してもらって、おふたりで娘さんをしっかりフォローしてあげてください。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士