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教えて!ごとう先生

スムーズに音読ができるようになるには?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa081022.gif小学4年になる息子がいます。音読がとても苦手で、最近、毎日のように出される音読の宿題に頭をかかえています。間違えながらスローペースで読むので、時間も長くかかってしまい、終わる頃には疲れきっています。音読がスムーズにできる方法をおしえてください。ちなみに、マンガの本だけは大好きでよく読んでいます。

(HN:めろんぱん)

適切な間のとり方で上手な「表現読み」を!

読解力が向上すれば音読は上手くなる
 めろんぱんさん、こんにちは。音読の宿題、大流行ですね。子どもたちみんなが、将来アナウンサーや役者になるわけではないのだから、そこまで徹底しなくても、と思わなくもないのですが...。音読が読解力の向上に役立つと強く信じられている現状では、このブームは当分続きそうです。 本来は流れが逆なんですけどね。音読から読解力が育つのではなく、読解力が向上すれば、(身体的に発声などに関しての難を抱えていたり、気持ち的に物怖じしてしまう場合をのぞいて)自然に音読は上手になるのです。
●「スピード」ではなく「表現読み」で
   いま私が申し上げたことに、音読がスムーズにできるようになるヒントが隠されています。その前に、スムーズな音読について少しだけ考えてみましょう。まわり道のようですが、実はそれが一番の近道でもあります。 誰もがすぐに思いつくのは、「立て板に水」を地でいくような、滑らかでテンポのよい音読でしょう。スピードは本来上手な音読とは若干異なるのですが、「スピード=音読の巧みさ」というのもよくある誤解です。ラジオの競馬中継、あるいは株式市況のような音読をする子がいます。なんだか「上手だなあ」と思ってしまいそうですが、視点を変えればそうした読み方は、「棒読み」を極めたのにほかなりません。棒読みの対極には、「表現読み」があります。本来、子どもたちにできるようになってほしいのは、こちらの「表現読み」のはずです
●英文の朗読も音読と同じ
 このことがよくわかるのは、国語でなく英文の朗読です。とても速く読むことができて、発音もさほど悪くない生徒や先生がいます。ところが、じゃあそれは上手いのかといえば、実は上手いとは限らないのです。私の主観だといけないので、ネイティブ数人に確認したのですが、彼らの感想も同じでした。その理由はやはり「棒読み」にあるのです 。
●間のとり方がポイント!
 もうなんとなくお分かりいただけたのではないかと思います。実は、上手な音読というのは、間のとり方が適切な音読のことなんです。一文字一文字たどるように読むのは、さすがにじれったい印象を与えます。しかしそうでなければ、テンポ自体はさほど速くなくてもよいのです。ただし、意味の切れ目以外では途切れないようにする逆に意味が切れる、話題が変わる、などの箇所では間をとるようにする。これが本当の上手な音読なのです。
●どこで区切るかを指導する
 ですから「音読をスムーズにできる」ようにするには、「どこで区切って読むか」を指導する必要があります。息継ぎのポイントといってもよいでしょう。マンガをスムーズに読めるのは、基本的にマンガがほとんど台詞で成り立っていて、かつ長い台詞が少ないからでしょう。コマが変わるので、言葉の切れ目や息継ぎのタイミングもわかりやすいですね。音読の場合、意味の切れ目は句読点でわかりますが、場合によっては、さらに細かく切ってもいいと思います。文脈ごとに「/」を鉛筆でうすく書き込むなどして、読みやすくなるようにしてください。
●息継ぎのポイント+ふりがなで上達!
 もうひとつは「ふりがな」です。これも先生の方針によっては、認められないこともありますので、はじめのうちだけ、うすく書かせておくとよいかもしれません。 句読点を中心にした意味の切れ目での十分な息継ぎ、逆にいえば、そこまでは遅くてもよいから止まらないで読むようにすること息継ぎポイントの指導とふりがなによる補助 (慣れてきたら消してください)、これで随分と変わってくるはずです。これを機会に、読解力や表現力につながる、本当の音読スキルを身につけてくださいね。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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