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教えて!ごとう先生

電子辞書の上手な活用方法は?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa081126.gif息子の中学では、電子辞書OKです。学校によっては絶対に分厚い辞書じゃないといけないところもあると聞いてます。私たちが学生のころ、英語や国語は「引いてなんぼ」という感覚でした。私の経験からも、辞書を引いて必要なものを見つけだすこと、その周囲の文章を同時に読むこと、など辞書の大切さを学んできたように思います。
それは今でも変わらないのではないか?と思うので、なぜ電子辞書がOKなのか疑問です。電子辞書を使うにしても、上手な使い方ってありますか?私たち親自身が活用していないので、アドバイスもできないまま、ムダに持っている状態で気になっています。安いものでもないですし...。
上手な活用方法を教えてください。 よろしくお願いします。

(HN:mokomoko)


電子辞書の機能を知って使いこなそう!

●今の電子辞書には多彩な機能が
 ぼくも電子辞書には抵抗があります。世代なんでしょうね。紙と活字の辞書、辞書独特の肌ざわりのよいペラペラでツルツルの紙。使い込んでいくうちに増えていくライン。生活をともにしているうちに、はじめは隙間なくピッチリたためた辞書が、かさを持つようになるのも、またいとおしく。...って枕草子みたいになってしまいました。こうしてみると紙媒体の辞書にこだわってしまうのは、ある種のノスタルジックな感傷のなす業といえるのかもしれません。紙媒体の辞書しかダメだというのは、ある種主観的な物言いでしょうね。なぜなら紙媒体の辞書しかダメだ、という主張を持つ人の多くは、電子辞書をあまり使っていませんから。 初期の電子辞書は、紙媒体の辞書と比べてあまりにもお粗末で、とても大学受験などに利用できる代物ではありませんでした。このときに先生方から「あれは使えない」という評価をいただいて、以後これが電子辞書に対する評価のスタンダードとなってしまい、固定観念や先入観を生み出してしまったというわけです。 逆にいえば、今の電子辞書はその当時と比べると、同じ名前で呼ぶのもはばかられるほど多彩な機能を持ち、またそれをうまく活用すれば、従来の紙媒体の辞書ではできなかった学習さえ可能になります。
●電子辞書の使いこなしたい機能
 現在の電子辞書の多くは、複数の辞書を掲載しています。英和辞典、和英辞典はもとより、英英辞典さえも含まれています。高校生の学習用などは、これにさらに「センター用の頻出英単語集」や「同頻出英熟語(イディオム)集」なども備えており、さらには国語辞典、古語辞典、歴史の用語集まで含んでいます。 つまり電子辞書ひとつで、複数の辞書機能が利用できるということです。それを考えると、価格的にはむしろリーズナブルであるといえるかもしれません。 使いこなしたい機能は山ほどあるのですが、いくつかに絞ってご紹介しましょう。 まずは履歴機能(ヒストリー機能)。過去の検索がわかる機能です。これを単語帳機能(メモ機能)と合わせて使えば、暗記用のリストを作成できますし、覚えた単語を削除していけば単語カードのようにも使えます。 それからスペルチェック機能。これを使うことで、綴りに自信のない単語も検索することができます。これも従来の紙媒体の辞書ではできなかったことです。 引くときに便利な機能としては、逆引き機能も挙げられます。接尾語「ness」や「less」が含まれている単語を調べてまとめあげ、違いを確認したい、というときに従来ならば逆引き辞典が別途必要だったのですが、その必要もありません。 音声機能もすぐれものです。紙媒体では絶対に不可能な機能ですよね。これにより調べた単語の発音やアクセントをすぐに知ることができます。センター試験や英検では、発音アクセントは必ず出題されますから、これもありがたい機能です。
●上位の大学を目指す高校生には連動機能がおすすめ
   これら紙媒体の辞書ではできなかったことで、電子辞書が可能にしてくれた機能は多々あるのですが、特に上位の大学を志望する高校生におすすめなのが、これからご紹介する連動機能です。多くの電子辞書では複数の辞書がインストールされていることはお話しました。それを生かして、例えばある単語を調べたときに、その解説にさらにわからないところが出てきたら、ジャンプしてその単語へ。さらには別の辞書のその単語に関する項目へと飛ぶこともできます。これにより、多方面からの学習が簡単にできるようになりました。また同じく複数辞書を搭載している利点を生かした機能では、連動検索機能を忘れてはいけません。これは特に例文検索で重宝します。上位校の入試問題など英英辞典を普段から活用していれば、比較的発想にたどり着きやすい問題が多いのですが、この機能はそれをかなえてくれます。この機能を使えば無意識のうちに英英辞典を使うことができる、というのは大きなメリットです。電子辞書なら勝手に持ち歩くことになり、複数検索を使えば勝手に利用し参照することにつながるわけです。
●紙媒体の辞書にもいいところが
 こうしてみるとすぐにでも電子辞書オンリーにしてしまいたくなりますが、やはりそこはそこ、紙媒体の優位な点も、もちろん存在します。 ひとつは書き込みができるということです。アンダーラインやマーキングのほかに、自由に余白に書き込みができるのは、今のところ紙媒体ならではの特徴です。 それから「見やすさ」においても、まだ紙媒体の辞書に分があるでしょう。特に電子辞書は持ち運びに便利なようにコンパクトにできていますから、画面が小さく、一度に表示できる部分が狭い。スクロールもある意味うっとうしい。紙媒体では目的の箇所をほぼ一覧できますから、そうした煩わしさからは解放されます。 さらに、利用に際しての目の疲れ、という点でも人ぞれぞれですが、紙媒体にアドバンテージを感じる人が多いと思います。小さな液晶の活字を追う、というのはやはり目が疲れるものです。長時間の勉強となると影響は少なくないと思います。 以上、電子辞書には電子辞書の、紙媒体の辞書には紙媒体の辞書の、それぞれの長所や短所が存在します。どの程度の大学を目指すかにもよるのですが、一般的に人気が高くそこそこ以上の難易度の大学を目指すのであれば、少なくとも英和辞典くらいは紙媒体の辞書と電子辞書両方備えておくとよいでしょう。うまく使いこなして目標達成できるといいですね。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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