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教えて!ごとう先生

ゲームに夢中の息子。他のことにも興味を持たせるには?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa080312.gifゲームが大好きな小学生の息子がいます。
私がストップをかけないと、ずっとゲームをしてばかりです。
「ゲームをしたい」「ダメ」の言い合いで、ケンカになってしまうことも。
以前は、外で遊ぶことも好きな子だったので、サッカーや野球などの運動にも、どんどんチャレンジしてほしいな?、と思っているのですが......。
ゲーム以外のものに興味を持たせるには、どうすればいいのでしょうか。

(HN:ゆうゆ)


ゲームを禁止することなく、ゲームだけにならない時間作りと環境作りを

●ゲームは子どもの社交ネタ
 ゆうゆさん、はじめまして。息子さん、ゲーム大好きなんですね。それでご心配を。これはかなり多くの小学生の親御さんに共通したお悩みです。少し回り道になりますが、ゲームの功罪について考えてみましょう。功なんてあるのかな、と思ってしまいますが、いくつか挙げることができます。

 まずお友だちとのコミュニケーションがとりやすくなる ということ。現実を見もしないで理想論だけ振りかざすのならば、ゲームなどなくてもコミュニケーションは可能ですし、ゲームを話題にしなければならないような友だちは作らなければよい、と言い切ってしまえばよいでしょう。

 しかし、実際にはなかなかそうはいきません。小学生の人脈なんて限られていますし、つまらないきっかけが集団からの疎外を生んでしまうことも日常茶飯事ですから、まわりがみんなゲームをする中で、ひとりだけゲームをしなければ浮いてしまうことになります。大人の世界の政治談義や経済論議、若者の世界の芸能ネタや音楽ネタ、主婦の世界のグルメ話や教育話などと同じようにゲームというのはマンガなどとともに子どもの(特に男の子の)社会での社交ネタのひとつになっているわけです。

●子どものうちにゲームへの免疫がつけられる
 次に、のめりこむべき時期にのめりこんでおけば、大人になってからのめりこむことを避けることができるというメリット? も挙げられます。免疫がついていない大人というのは怖いものです。さすがに犯罪や人に深い傷を残してしまうようなことは免疫云々に関係なく避けたほうがよいと思います。しかし、ゲームだのマンガだの、一般的にあまり大人としてもてはやされないような趣味は、子どものうちに極端に封じ込めてしまうと、大人になって何らかのきっかけで目覚めたときに、異様にのめりこんでしまうという結果につながる恐れもあります。 それなりの時期にそれなりにのめりこんでしまえば、子どもというのは飽きも早いですから、意外にすんなり卒業してしまうこともあります
●知識の向上やコンピュータへの慣れといった側面を持つゲーム
 それから難読漢字や知識を覚えるきっかけになることがある 点も挙げておきます。ゲームの種類にもよりますが、単なるシューティング系や格闘系以外のゲームの場合、モチーフに歴史や神話などを題材として使うことが多くあります。それゆえに、難読漢字や知識も含んでいて、ゲームをクリアするという目的がそうした知識の克服への動機となることもあるわけです。

 さらに、コンピュータへの慣れというのもメリット として挙げられます。もはや端末の操作スキルは、日常生活でもほとんどのビジネスにおいても欠くことのできないものとなっています。これからの時代を生きていく子どもたちにとっては、さらにその重要度は増すわけですが、ゲームというのはそのためのステップとして、最も抵抗が少なく入りやすいものであることは間違いありません。以上のように悪者のように思われているゲームにも、案外メリットは多いわけです。

●多く語られるゲームのデメリット
 ところが一方でまた、デメリットも多く存在します。こちらについてはかなり言い尽くされている感がありますので簡単に列挙しますと

1 夢中になってしまうあまりに時間の浪費につながる
2 ひとりでできてしまうためにコミュニケーション不足に陥る(メリットと矛盾するようですが両面とも事実です)
3 バーチャルなものとリアルなものとの区別がつけられなくなる
4 リセット機能に味をしめ、現実の生活においても物事を軽く考え、振る舞うようになってしまう
5 体感性に欠けるため、自らの痛みおよび他者の痛みに鈍感になってしまう

以上のようなことが欠点として挙げられるでしょう。

●ゲームをする時間のコントロールと周囲との協力が不可欠
 さてこれらの功罪をふまえた上での解決策ですが、とにかく必要なのはゲームが娯楽であり、趣味に属するものであることを理解させること です。すなわち、ゲームソフトを買ってもらうのと同じように、プレイする時間を与えられること自体がすでに、ごほうびやプレゼントと変わらないということを認識させてください(ある意味、将来の自分からのプレゼントと言えなくもありません。ここでゲームにのめりこんでいる時間が、将来の自分に過去の投資としての時間の欠如を嘆かせることにつながる可能性は大きいですから)。

 ありがちな方法としては、プレイするにあたって時間制限を設けること、それから何らかの条件を課すことでしょう。宿題が終わったらプレイできるとか、お手伝いを30分したら、ゲーム30分プレイできるなど。あとはゲーム以上におもしろさを感じる世界を体験させたり、与えること ですね。子どもというのは、おもしろいものやかっこいい(と子どもが感じる)ものには無条件でのめりこみますから。

 まわりの親御さん同士の連携も必要です。子どもは必ず「○○君ところは...」という理屈で親を説き伏せますから、自分の家だけで強い決まりごとを作ってもなかなかうまく機能しません。親同士の場で、「うちの子、ゲームにのめりこんじゃって困っているのだけど...」と軽い感じで話題提供されたら、「うちも」「うちも」となって、案外共通のルール設定などができるかもしれません。お父さんにもできれば協力してもらいましょう。「男の世界には男の世界のつきあいがある」のは大人も子どもも同じですから。

 これをきっかけに時間の大切さなどを親子で語り合えたらいいですね。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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