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教えて!ごとう先生

応用力を伸ばすには...?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa071121.gif先日、全国学力試験の結果が出ましたが、ご他聞にもれず、わが息子も、応用力がありません。
 基礎的な問題はなんとか解けるのですが、いざ応用となると......。
普段の生活でも、この応用力が必要になってくる場面があるように思うのですが、どうやったら、その力を伸ばすことができるでしょうか。
 ぜひ、先生のお考えを教えてください。

(HN:すぅ)


基礎と応用をバランスよく学習しましょう

●基礎と応用の違いとは
 すぅさん、こんにちは。応用力のお話ですね。応用力をどうつければよいか、の前に、前提として、基礎と応用はどう違うのか、というお話からはじめましょう。 基礎というのは 、端的に言えば、 一問一答式で解答できる範囲の知識 です。知っているか、知らないか、に依存する部分ですね。暗記事項といってもよいでしょう。数学でいえば九九、面積の公式など、英語でいえば、英単語のスペルと、意味や動詞の変化など、国語でいえば、漢字や文法、四字熟語、故事成語など、社会でいえば年号、人名、地名など、理科でいえば物質名、公式などがそれにあたります。パソコンでいうと、ソフトに比するのがわかりやすいと思います。ソフトですからインストールされていれば、数値などを代入するだけで使いこなせます。入っているかどうか、つまり知っているかどうか、覚えているかどうか、ここに大きく依存するのが基礎の部分です。したがって基礎は退屈ですが、覚えてしまえばいいわけですから、身につけるのはそう難しくはありません(精神的には、しんどいでしょうが)。また、頭の回転のよしあしよりも、マメさがものをいう分野でもあるでしょう。どんなに「アタマがよい」といわれる子でも、知らなければどうにもできないのが、基礎の部分ですから。  それに対して、応用はまったく異なります。まず、そもそも一問一答式にはなりません。ひとつの問題があったときに、この問題を解くには、自分の持っているどの知識と、どの知識をひっぱり出してくればよいのか、そして、どの知識をどこで用いて、残りの知識をどう使えば解答にたどり着けるのか、これが小中学校レベルで求められる応用力です。  したがって、まずそもそも前提となる知識、つまり基礎の能力 が必要になります。それから、どの知識を使うかを決定するために、 問題のつまり情報の分析能力 が必要になります。さらに、必要な知識がわかったときに、それを記憶から効率的にひっぱり出してこなければならないわけですから、 知識の整理の能力も大切ですね。他にも、さまざまな能力が駆使されるのが応用です。文字通り、 課題に応じて、必要な能力知識を用いる のが応用なのです。
●応用力を身につけるポイント
 したがって応用力を身につけるためには一にも二にも、問題演習が必要になってきます。ここでいう問題とは、もちろん応用レベルの問題です。しかしながら、いくら応用問題といっても、あくまで小中レベルでは、教科書に記載されている事項、およびその延長、という縛りが存在します。したがって、あまり無茶な応用は出題されません。同一単元内での二つ以上の知識を使わせるものからはじまって、同じ科目内の異なる単元にまたがる問題、さらに複数科目にまたがっての出題という範囲までが出題対象です。 いずれの場合においても、基礎をまったくかけ離れた出題はなされません。あくまでも、基礎の組み合わせであるとか、複雑化がメインになります。そこで現実的な応用力の育成方法としては、逆説的ですが、 まず基礎力を充実させること 、それも一方通行ではなく 双方向から答えられるように します(英単語でいえば 英語→日本語だけでなく、英語⇔日本語)。さらに、同一単元内のドリル形式学習ではなく、 複数の単元科目からの、ランダムな一問一答のトレーニングを積むことです。  そしてその上で、とにかく数多くの応用問題にあたる こと。その際に解ける、解けないよりも、 経緯であるとか、過程を重要視し、答え合わせの際に、特にそこを重視していくことが大切です。つまり、応用の際の組み合わせ方とか、アレンジの仕方のパターンを身につけるんですね。そのためには、数多くのパターンに触れ、それをマスターする必要があるわけです。応用と基礎は、それぞれ密接に結びついています。基礎なくしては、応用はできません。しかし、逆に基礎だけいくら身に着けても、応用できるようにはなりません。時間と状況に応じて、バランスよく学習することが大切なんですね。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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