教えて!ごとう先生
いじめのフォローは?
子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!
後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧
~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。
Q. いじめのフォローは?
4月から中学生になった息子は、この春休みの間、知人から頼まれ、同じ小学校だった顔見知り程度の同級生男子の家へ遊びに行っていました。理由は、その子が不登校だったからです。息子の努力が実ったのか、その子は中学の入学式から登校していますが、同じクラスになった息子をいじめるようになりました。実は、小学校では、いじめたことが原因で不登校だったようです。息子は、よいことをしたのにいじめられ、ショックを受けています。「先生には言ってほしくない」というので、今は見守ることしかできていません。今後どのようにすればいいのか、アドバイスいただければと思います。よろしくお願いいたします。
(HN:パイン母)
A.否定すべきところは否定して
きれいごとか本音か
きれいごとを貫くか、本音で話すか、まずはそこのところで覚悟を決められる必要があるでしょうね。そのうえで、きれいごとを貫くと決められたなら、せっかくの気持ちがわかってもらえなかったけれど、いつかわかってもらえるだろうと話されるとか、それくらいしかしてあげられることはないのではないかと思います。
次に、後者の本音で話すことを選択されたなら、まずはそれでも息子さんの行いは尊かったと、でも尊いことが必ずしも報われるとは限らないのも世の中であり人生だと。その上で、だけど私はそんなあなたを誇りに思っていると。
いささかこちらも、きれいごとめいてはいますが、いちばん大事なのは息子さんの行ないを否定しないことです。神様や運が否定してもお母さんが肯定する。さいわい中1なら、まだそれでかなり救われるはずです(これがもう少し大きくなると身内の肯定では救いにならない時期も来ますが)。
レッテルが貼られる前に
さてその上で、すぐに取りかかっておいたほうがいいのは、いじめられっ子のレッテルを貼られないようにすること。おそらく不登校だった恩知らずの子にそれほどの人脈も徳もないと思われますので、大きな波にはならないとは思いますが、放置しておくと何を言われるかわかりません。昨今の国際問題を見ていてもわかるように、大人の沈黙は肯定とみなされてしまう時代です。否定すべきところはしっかり否定するほうがいいでしょう。ただし本人やその取り巻き直接ではなく他の子たちに対してです。嫌な言い方ですが、息子さんのほうが人望は厚いはず。ならば息子さんは息子さんで信頼できる仲間と確固としたグループを形成してしまったほうがいいでしょう。無論そこには先輩や教師を加えることも大切です。
おそらく登校できるようになった子は、また自分がいじめられないためのいけにえを欲しています。そしてそのいけにえは自分より弱いものでなければならない。そんなところから息子さんがターゲットにされてしまったのでしょう。彼の心情にも同情できる点がないわけではありませんが、彼を救うべきは彼の保護者であり、パイン母さんではありません。ゆえにパイン母さんが同情される必要はまったくない。しっかり息子さんを守ってあげてほしいと思います。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士