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30代から女性ホルモンが減少!?更年期!? 「中医学」を知って、からだの調子をととのえよう

仕事に家事に子育て、忙しいけれど自分の健康にも気をつけたいですね。女性のからだはとてもデリケート。いつまでも元気で充実した毎日を過ごすために、美容や健康についてのお役立ち情報をご紹介します。


女性ホルモンが減ってくる30代以降、女性のからだにはさまざまな変化が起こります。からだの不調は放っておくと病気となり、取り返しのつかないことになりかねません。そこで注目したいのが、古来から中国に伝わる「中医学」。からだの不調を和らげる「中医学」を知って、更年期等のエイジングケアに活かしましょう

30代~40代から、女性ホルモンが減少

子育てや仕事で忙しくしているうちに、年齢はどんどん上がります。加齢とともに女性ホルモン(エストロゲン)が減ることで、女性のからだにはさまざまな症状が出てきます。

女性ホルモンにはどのような働きがあるのでしょうか。

  • ・肌のうるおい保ち、髪をツヤツヤにする
  • ・気持ちを明るくする
  • ・記憶力を高める
  • ・骨や血管を強くする
  • ・代謝を促す、肥満を予防する
  • ところが、女性ホルモンが減ってしまうと、年代ごとに次のような症状が出やすくなります。

  • ・30~40代...月経異常、自律神経失調など
  • ・50代...頭痛・不眠・不安などの神経症状、尿失禁など
  • ・60代...動脈硬化、高血圧、狭心症、脳卒中、骨粗しょう症など
  • 特に30代~50代女性の不調を改善するために、中医学の治療が注目されています。

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    中医学とは

    中医学は、2千年以上の歴史を持つ中国伝統医学です。からだのしくみを考え、人の持つ生命力を重視します。

    病気ではないけれどからだが不調を抱えている状態や、病気になりつつある状態を「未病(みびょう)」と言います。この「未病」を治して症状を改善させていくのが中医学の治療なのです。

    西洋医学とどう違うの?

    一般的に西洋医学では、ひとつの症状に対してはほとんど同じ治療を行います。中医学の場合、同じ症状であっても、個々の体質を把握した上で根本原因を診断します。その結果により、治療方針が決定されるため、同じ症状であっても治療法や処方される生薬が全く異なることが多々あります。

    西洋医学の治療が局部的におこなわれるのに対し、中医学はからだ全体をみて根本原因を探り、治療をおこなうのが特長です。

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    どうやって診断するの?

    中医学では、体質を見極めるために、「四診」と呼ばれる方法を用います。

  • 望診(ぼうしん)...皮ふの色、顔色、目の色、舌の状態をみます
  • 聞診(ぶんしん)...体臭、口臭、声や呼吸音をチェックします
  • 問診(もんしん)...生活習慣(睡眠時間、食欲、排便の状態など)、自覚症状などを確認します
  • 切診(せっしん)...患者さんに触れて、脈やお腹のかたさや張りなどを確認します
  • 見て、聞いて、触れることで、身体の反応や症状に重点を置いてじっくりカウンセリングをおこないます。中医学では、四診合参(ししんごうさん)して全身のバランスを診察することが重要です。四診合参とは、望診、聞診、問診、切診をバラバラに診るのではなく、合わせて総合的に診断することを言います。


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    どうやって治療するの?

    中医学では「漢方」と「鍼灸」の力を活かして治療をおこないます。
    漢方は、さまざま生薬の中から、その人の病状にあわせ生薬をブレンドしたものを用い、病因を取り除き、からだの抵抗力を高めることができます。 鍼は刺激が軽くほとんど無痛、灸は痕にならない温灸などで行うのが一般的で、女性でも安心して受けることができます。

    中医学の治療は、診断したときの患者さんのタイプによって変わります。
    たとえば、不眠症の治療を例にとってご紹介しましょう。

    不眠症患者Aさん「肝鬱(かんうつ)タイプ」
    原因:自律神経をコントロールする「肝」の機能が低下している
    症状:強いイライラや憂うつ感、不安感、目の疲れ、頭痛、肩こり、月経不順
    治療:「四逆散」処方。鍼灸では、百会、復溜などのツボを刺激

    不眠症患者Bさん「腎陰虚(じんいんきょ)タイプ」
    原因:老化により体内の水分が減少し、交感神経の興奮がおさまらない
    症状:ほてり、不眠、疲れやすさ、動悸、めまい、耳鳴りなどが出やすい
    治療:知柏地黄丸(ちばくじおうがん)処方。鍼灸では、太衝、神門などのツボを刺激

    ※「肝鬱」「腎陰虚」などのタイプは、カウンセリングで体質判定してもらうことができます。

    中医学の相談は、中国政府の中国衛生部(日本での厚労省)が許可した「中医師」資格または世界中医薬連合会認定の「国際中医師A級」資格者と相談することをおすすめします。

    <事例紹介>中医学で症状が改善!

    中医学の相談を受けて、症状が改善した例をご紹介します。

    「ほてりがなくなり、夜間のトイレが減りました」<Sさん・女性・53歳の場合>
    来店の状況:独身キャリアウーマンで会社の人事部管理職。仕事で緊張する場面が多く疲れがたまっており、ホットフラッシュが悪化し来店。
    自覚症状:ホットフラッシュ(1日10回)、下半身の冷えが強い、生理の量が多く血塊あり、高血圧(西洋薬服用)、寝つきがよくなく夜間にトイレ(1日3~4回)、目の疲れ・肩こり・腰痛もある。子宮筋腫の手術歴あり。
    望診:中肉中背、若干貧血気味の顔色、疲れた表情、舌尖紅苔薄白
    弁証(体質):営衛不和、肝腎陰虚、肝陽上亢
    漢方:桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散加陳皮半夏、杞菊妙見丸など
    経過:服用から2週間で自覚症状の改善が見られ、1か月後にはホットフラッシュが全くなくなった。夜間のトイレも減り、他の症状も落ち着いてきた。

    「更年期の症状がすっかりおさまりました!」<Uさん・女性・49歳の場合>
    来店の状況:図書事務員。1年前から急に中から熱くなって、ほてりがでるようになり来店。
    自覚症状:ほてり(1日4~5回)で夜もある、寒がり、生理不順気味になってきた、疲れやすい、偏頭痛、むくみ、貧血、寝汗、寝つきが悪い、口乾く、イライラなど
    望診:とても明るい方、やせ形、肌色白、舌淡白苔燥
    弁証(体質):肝腎不足、心火上炎、心腎不交
    漢方:滋陰降火湯、知柏地黄丸
    経過:服用1ヶ月後には諸症状が緩和し、2か月後には、ほてり、頭痛、寝汗、むくみなど無くなった。

    アドバイスしてくれたのはこの先生!

    薬剤師/鍼灸師/国際中医師認定A級 株式会社誠心堂薬局 代表取締役 西野 裕一氏
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    北里大学薬学部にて薬学を修めた後、1987年に千葉県市川市で㈱誠心堂薬局を設立。現在までに、漢方薬局、鍼灸院、エステサロンを含めて首都圏に22店舗を構える規模に成長させた。近年は一般社団法人日本中医学会評議員、世界中医学連合会常務理事、中国漢方普及協会会長など数多くの中医学会の分野にて、中医学および漢方・鍼灸をはじめとする東洋医学全般の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。特に婦人科領域においては長年の臨床経験に基づいた内容でのセミナー講師も多数務めている。
    誠心堂薬局


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