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女力アップの鍵「腸内フローラ」について知ろう!

仕事に家事に子育て、忙しいけれど自分の健康にも気をつけたいですね。女性のからだはとてもデリケート。いつまでも元気で充実した毎日を過ごすために、美容や健康についてのお役立ち情報をご紹介します。


アンチエイジングには「女性ホルモン」と「腸内フローラ」が関係しています。前回ご紹介した「女性ホルモン」に続き、今回は「腸内フローラ」についてご紹介します。腸内フローラを良い状態に保ってアンチエイジングにつなげ、女力をアップさせましょう!

アンチエイジングに「女性ホルモン」と「腸内フローラ」が関係しているって本当??

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腸内には数百種、100兆個以上もの細菌が存在していると言われています。個々の細菌は、複雑な微生物生態系を構築し、これを腸内フローラと言います。
現在、この腸内細菌達の免疫や美容への様々な働きが注目を集めています。そのため「腸内環境」を整え、「腸内フローラ」を良い状態に保つことがとても大切となるのです。

アンチエイジング実現に向けたはじめの一歩!「腸内フローラ」のうれしい働きとは?

腸内には、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ヒヨリミキン)」という、3種類の菌が存在しています。
「善玉菌」の代表は、ビフィズス菌などの乳酸菌です。外的な菌の侵入を防ぎ、悪玉菌の作り出した腐敗物を分解して、腸内環境を整える役割を果たします。体の様々な状態に良い働きかけをしてくれます。
「悪玉菌」の代表は、ウェルシュ菌やブドウ球菌です。増殖すると腸内腐敗が進み、アンモニアやフェノールという有害物質が増える性質があります。
「日和見菌」は、普段ほとんど人に影響を与えませんが、善玉菌と悪玉菌のうち、より優勢な方に働きかけるという、性質を持っています。

これらの細菌達が、肥満の抑制・美容(しわの改善)・老化防止など、女力をアップしてくれる働きの他、糖尿病やアレルギー、血栓を予防する働きもあり、生活習慣病の予防に貢献しています。

細菌達が充分に働くため、特に重要なことは、その3種類のバランス、腸内フローラの内容です。腸内フローラの理想的な比率は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われています。

例えば、肥満の抑制では、腸内細菌は次のような役割を果たします。
日和見菌群には、「バクテロイデス」という善玉菌と相性の良い「痩せ菌」と「ファーミキューテス」という悪玉菌と仲の良い「デブ菌」があり、痩せ菌のバクテロイドは、脂肪の吸収を抑制し、デブ菌のファーミキューテスは、栄養を吸収する働きがあります。
善玉菌が優勢であると日和見菌は、善玉菌と仲良くなることも、悪玉菌と仲良くなることもできる中立の菌なので、善玉菌と仲良くして腸内フローラの大部分が、「痩せ菌」で占められることになります。そのため、たくさん食べてもスリムな方は、善玉菌の割合が圧倒的に多く、更にお肌も綺麗、しわの改善など美容効果もアップします。つまり、たくさん食べても「スリムでお肌ピカピカ」という、なんとも羨ましい「女力」を持てるのです。逆に悪玉菌が優勢であると日和見菌のデブ菌の方が多くなってしまいますから、太りやすくお肌の調子も優れなくなってしまうのです。

女力をアップさせる!腸を元気にする食生活

さて、女力をアップさせるため、腸内環境を整えるには、日々の食生活に気をつけるのがポイント。「シンバイオティクス」を積極的に取り入れるのがおすすめです。「シンバイオティクス」とは、腸に有用な善玉菌を届ける「プロバイオティクス」と、育てる「プレバイオティクス」を共に摂取することで、効果的に腸活を促進する食物摂取の方法です。

column03-01.jpg 「プロバイオティクス」には、善玉菌を腸に直接届け、悪玉菌の活動を抑える働きがあります。ヨーグルト・納豆・甘酒(酒粕)などの乳酸菌と、ぬか漬け・味噌などの発酵食品を摂取することで、腸に善玉菌を届けることができます。
「プレバイオティクス」には、善玉菌を増殖、活性化して腸内環境を整える効果があります。豆類・ブロッコリー・きのこ類などの食物繊維と、キャベツ・たまねぎなどの、オリゴ糖を含む野菜類を摂取することで、善玉菌を育てることができます。

column03-01.jpg このように、届ける「プロバイオティクス」+育てる「プレバイオティクス」の食事を心がけることで、善玉菌が住みやすい環境作りができるのです。

腸内環境を整える!中医学タイプ別アプローチ

「発酵食品を多くして、しっかり食事に気を付けているのにそれでも全然変わらない」こんな方は、自分の体質にあったやり方を見つけられていないのかもしれません。
中医学では、それぞれの体質にあった注意点があります。あなたもぜひ参考にして、「腸内環境」を整え、「腸内フローラ」を良い状態に保つことで女力をアップさせましょう。

・お腹が冷えやすい方「気虚タイプ・痰湿タイプ」
疲れやすい・だるい・食後眠い・胃腸が弱い・冷え性などの自覚症状があるかたは、気虚タイプになります。むくみやすい・頭が重い・体がだるい・口が粘つく・痰が多いなどの自覚症状がある方は、痰湿タイプです。
これらのタイプの方々は、お腹を冷やさないことが大切です。悪玉菌は、冷たい温度を好み、善玉菌は温かい温度を好みます。できるだけお腹を冷やさず、夏場のクーラーのかけすぎや足の冷えなどに注意しましょう。体が冷えると、冷えから体を保護するために脂肪がつきやすくなります。
気虚タイプに効果的な漢方:香砂六君子湯(コウシャリックンシトウ)。温性(体を温める働き)や腸内ガスによる腹痛の抑制効果があります。
痰湿タイプに効果的な漢方:神味温胆湯(カミウンタントウ)。胃腸を丈夫にし、痰をさばき、不眠症や神経症の改善が期待できます。

・ストレスが溜まりやすい方「気滞タイプ・瘀血タイプの方」
イライラする・怒りっぽい・PMS・生理不順などの症状は、気滞タイプです。肩こり・頭痛が絶えない・肌がくすむ・シミやそばかすが気になるなどの症状は瘀血タイプの方になります。このような方は、ストレスを溜めないことが大切です。 クヨクヨせず、いつでもプラス思考を心がけましょう。ストレスが加わると、筋肉が緊張して血流が悪くなります。その結果、体温が下がり、胃腸の冷えにつながります。いつでもおおらかな気持ちを持って生活しましょう。

気滞タイプに効果的な漢方:加味逍遙散(カミショウヨウサン)。血液循環を良くしてホルモンのバランスを整えます。
瘀血タイプに効果的な漢方:血府逐瘀湯(ケップチクオトウ)。高血圧傾向のある頭重や、動悸の改善が期待できます。

・腸の老化が気になる方「腎陰虚タイプ」
夕方の微熱・目の乾燥・耳鳴り・肌がカサカサ・ほてりやすいなどの症状は腎陰虚タイプの方に多く表れます。そのような方は、腸の老化を予防しましょう。加齢とともに、体のうるおいが不足して、のどが渇きやすく、汗をかきやすくなります。水分補給と、日和見菌が善玉菌と仲良くなれる食生活を心がけましょう。より積極的に乳酸菌とビフィズス菌を含む発酵食品や、食物繊維とオリゴ糖を含む野菜類を摂取するといいですね。

腎陰虚タイプに効果的な漢方:知柏地黄丸(チバクジオウガン)。手足の冷感や、頭痛を改善します。

このように中医学では、その方にあった方法で女力をアップさせる腸内フローラの改善方法をアドバイスしています。上記はあくまで大まかな区分けですので、多くの方は、いくつかの原因を持ち、タイプが重なり合っています。ですから、正確に自分のタイプを把握するためには、一度、専門家に相談することをお勧めしています。

漢方薬と鍼灸治療の相談は誠心堂薬局まで
<監修>
薬剤師/鍼灸師
株式会社誠心堂薬局 代表取締役 西野 裕一氏
北里大学薬学部にて薬学を修めた後、1987年に千葉県市川市で㈱誠心堂薬局を設立。現在までに、漢方薬局、鍼灸院、エステサロンを含めて首都圏に22店舗を構える規模に成長させた。近年は一般社団法人日本中医学会評議員、世界中医学連合会常務理事、中国漢方普及協会会長など数多くの中医学会の分野にて、中医学および漢方・鍼灸をはじめとする東洋医学全般の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。特に婦人科領域においては長年の臨床経験に基づいた内容でのセミナー講師も多数務めている。
誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/
誠心堂では、中医学で女性が健やかに活き活きと過ごせるよう、セミナーを毎月開催しています。
http://www.seishin-do.co.jp/seminar/

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