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「受験」についてのアンケート

親子で「受験」を考えたことはあるだろうか。義務教育期間を挟んで、いつチャレンジするかを模索する家庭も多いことだろう。 今回は、2004年に調査したアンケートと比較しながら、現在のマム会員が考える「受験」観をのぞいてみた。

問1.小中学校の9年間で義務教育に望むものは?
小中学校の9年間で義務教育に望むものは 2004年小中学校の9年間で義務教育に望むものは
■ 「人間関係」「思いやり」が重視される意味は何か
まず、「小中学校の9年間で義務教育に望むものは」何かを聞いてみると、「基礎を応用し、自ら考える力」(84.9%)が一番多く、次いで「人間関係(コミュニケーション能力)」(77.1%)「思いやりなどの人間性・情緒性」(65.6%)と続いた。2004年は「基礎を応用し、自ら考える力」と「基礎学力・繰り返し学習」がともに一番多かったが、「基礎学力・繰り返し学習」は59.9%とやや順位としては下がっている。「人間関係(コミュニケーション能力)」や「思いやりなどの人間性・情緒性」が上位になったのは、ネット社会の発達による対人トラブル、ネットスキルの重要性を意識しているのであろうか
問2.現在の学校教育に不満はありますか。不満がある、ない、それぞれの内容をおしえてください
現在の学校教育に不満はありますか 2004年 現在の学校教育に不満はありますか
■ 今の学校教育に満足していますか?
そして、2015年現在の学校教育に親として不満があるかどうか聞いてみると「はい、不満があります」が48.4%と半数に迫る勢いだった。ちなみに2004年は「よくわからない」の項目がなかったこともあるが、「不満がある」(64.1%)と半数以上を占めている。満足の行く学校教育を受けているという実感が相変わらず少ないことが分かる。
そこで今回、「不満がある」と回答した人にその内容を聞いてみると、「先生の質が低い」(53.8%)が一番多く、「教育制度への不満がある」(49.5%)「学力が低下するのではないかと心配」(33.3%)と続いた。また、「その他」(9.7%)の中には「親が先生に何もかも丸投げしすぎ」(40代)という意見があった。
また、「不満がない」と回答した人は「教育制度に不満はない」(56.1%)「先生の質が高い」(26.8%)「学力が向上しているのがわかる」(19.5%)の順となった。「その他」(14.6%)の回答を見てみると「ある程度は家庭でするものなので、それほど期待していない」(40代)とこちらも家庭側からみた意見があがっている。特に義務教育期間中は、家庭でのしつけと先生による学校教育とのバランスをどう捉えるかで、満足か不満かが分かれるようだ。
問3.お子さんに受験させることを考えていますか。受験をするなら、どの段階でどういう系列の学校を考えますか
問4.何歳から受験に対する勉強を始めましたか
お子さんに受検させることを考えていますか 2004年 お子さんに受検させることを考えていますか
■ どのタイミングで、どこを受験するか?
「お子さんに受験させることを考えているか」と聞いたところ、「すでに受験した」 (32.8%)がわずかに多いものの、「これから受験をする予定」(28.1%)「受験をするつもりはない」(20.3%)「わからない」(18.8%)と、それぞれの回答に大差がつくことはなかった。また、2004年は「わからない」という選択肢がないものの、両者の「すでに受験した」「これから受験をする予定」を合わせると2015年が60.9%、2004年が60.8%とほぼ同数となった。
なお、今回「受験をするなら、どの段階でどういう系列の学校を考えますか」との問いに一番多かったのは「国公立高校」の43.8%であり、次いで「国立大学」(41.8%)となった。比較的新しいシステムの「公立中高一貫校」(31.4%)が三番目に多いことも最近の特徴と言えよう。また、「何歳から受験に対する勉強を始めましたか」について一番多かったのは、「小学5年生」の19.0%、次が「中学2年生」の17.5%だった。それぞれの最高学年のひとつ手前の学年から始める子どもが多いが、前項の割合から考えると「高校受験を見据えて小学校高学年から対策しはじめる」という意味合いが強いと思われる。
問5.受験にあたり、どのような勉強をしましたか。その方法を選んだきっかけ、決めてを教えてください
問6.塾に通っていた(現在通っている)方に伺います。通ったことのある塾(通っている)はどこですか
問7.塾や教材などに一か月いくら出していますか
受験にあたり、どのような勉強をしましたか 2004年 受験にあたりどのような勉強をしましたか
■ 勉強方法も時代とともに変化する
「受験にあたり、どのような勉強をしましたか」と聞いてみると、2004年も2015年も多かったのは「通学塾」(2004年:45.6%、2015年:81.0%)だった。しかし、特徴的なのは、2015年の「通信教材」(34.9%)である。つい数年前までは郵便物でのやりとりが主流だったが、現在はインターネットを介してタブレットやパソコンなどを使用し、ペーパーレスでできる通信教材も珍しくなくなってきた。これらは「通信教材」のみならず、先ほどの「通学塾」や「独学」(17.5%)、「家庭教師」(9.5%)などにも当てはまる。インターネット回線の速度増加、さまざまなデバイスの普及は、確実に受験勉強の方法も変えてきていることが分かる。
また、勉強方法のきっかけとしては「周囲の口コミ」(47.6%)が一番多かった。特に「通学塾」の選定などは、口コミが情報源になることは十分予測できる。「子どもの友達のすすめ」(22.2%)も同じ理由からであろう。なお、「その他」(42.9%)の回答としては「自分もかつて同じ方法だったから」(50代)という親自身の経験を挙げる人も。そして、「勉強方法選定の決めてとなった」のは「立地がよかった(交通アクセスが便利だった)」(46.0%)と「本人の希望」(42.9%)が抜き出ていた。つまり「口コミなどで情報収集し、続けやすい環境だと分かったうえで本人が一番行きたいところを選ぶ」スタイルが多い、ということだろう。
そこで、塾に通っていた(通っている)人に「通ったことのある塾(通っている)はどこか」を聞いてみると、「日能研」(10.3%)「栄光ゼミナール」(10.3%)「早稲田アカデミー」(8.4%)などの有名塾が並んだが、実は一番多かった回答は「進研ゼミ」(20.6%)だった。いわゆる「家庭学習」なので通学塾とは言えないが、掛け持ちできるので、併用している人が多いのではないだろうか。
そして「塾代や教材費に一か月いくら出していますか」との問いでは、「~9999円」(36.5%)と1万円以下を挙げる人が4割弱で一番多かった。ちなみに「10000円~19999円(15.6%)「20000円~29999円」(14.1%)「30000円~39999円」(14.6%)あたりはほぼ同じ割合となった。受験対象学年か否かで変動することもあるので一概には言えないが、どの家庭も気になる費用だと言えよう。
問8.あなたにとって学歴とは?
あなたにとって学歴とは
■ 現代は学歴が重要な世の中なのだろうか
2004年の調査のなかで、「学歴は就職に有利だ」という意見が多かったが、今回の調査で一番多かったのは「あるにこしたことはない」の59.4%。これらの意見の差は、何を指すのだろうか。
少子化が進み、特に私立学校などはあの手この手で受験者を募るところが増えたと言われている。かつての「狭き門」と言われていた学校も今はさまざまな制度により入りやすくなったり、統廃合により学校経営を立て直さざるを得なくなったりする学校もあるぐらいだ。そして、「学歴は就職に有利だ」という思いとは裏腹に、就職難が何年も続いている中、「学歴」はどんな意味を持つのだろうか。
苦しい受験勉強を経ての合格は「自信につながる」(43.8%)だろうし、就職活動を見据えると「日本はまだ学歴社会なので必要なもの」(41.7%)・「就職に有利」(40.1%)と思うのも分かる。ただ、「学歴より大事なことがある」(31.8%)と考えると「人を判断する材料のひとつ」(29.7%)でしかなく、そうなると「単なる履歴でしかない」(5.7%)と思えてきたりもする。しかし......「あるにこしたことはない」。今は、この結論に落ち着かざるを得ない時代なのだろう。
■ 「我が家のスタイル」を親子で見つけよう
最後に、「『受験』について思うこと」を自由に書いてもらったところ、やはり賛否両論挙がった。受験は国民の義務ではないので、「向き不向きがある」(40代)という言葉が象徴するように、子どもの性格や学力に合わせて自由に選択できる。しかし、何歳の時に、どんな節目で受験するか(させるか)否か、どの家庭も「進路」という形で考えることはあるだろう。さまざまな意見が寄せられたいうことは、まさに「人それぞれ」考え方が違うことが分かる。
特に賛成、反対が両極端だったのは、幼稚園や小学校受験のいわゆる「お受験」世代に対する意見だった。「幼少期の受験を否定する方もいらっしゃいますが......」(30代)という意見もあれば、「小さい頃に受験をさせることは本人にとって良いのか悪いのかわからない。親のエゴなのかなとも思う」(30代)などの回答も見られた。 また、今回の回答者の中心世代は、自らも受験を経験している人が多いようだ。成長して人の親となり、我が子の将来を考える時、自身が経験して培ってきた「受験観」が大きくかかわるようである。小さいころの受験は特に子ども自身の意志で受験を決意するのが難しいため、「よく分からないうちから受験するより、自分から受験したいと思う方が身になっていいと思う」(40代)など、子どもの自主性を重んじる意見もあった。
「中学までの受験VS高校・大学受験」「国公立VS私立」「受験勉強は有意義な時間VSムダな時間」とそれぞれの視点から考えると、前述の「本人の意思」と「通塾など、親への経済的な負担が大きすぎる」(30代)といった費用面がどうしても問題になってくる。また、「内申を気にするあまり、本来の自分をさらけ出して中学校生活を送ることができない子どももいる」(30代)など、公立には「内申点」という基準との戦いもある。また、「塾に行かなくても受験に対応できる能力をつけさせてほしい」(30代)「経済的理由により学力の格差が拡大しそうで心配」(40代)といった懸念を挙げる人が多かったのも事実だ。そして、これらのさまざまな条件に優先順位をつけるとしたら、まさに「人それぞれ」になってしまうほど、受験に関する進路選択はそれだけ多種多様なのだ。
「家庭ごとの方針で受験する、しないを決める事なので、夫婦・親子で話し合い、子どもの将来のために認識を統一していけば良い」(40代)という意見に代表されるように、受験は「我が家のスタイル」を築くためのステップのひとつなのかもしれない。

他にも以下の設問がございます。

  • 小中学校の9年間で義務教育に望むものは?
  • 現在の学校教育に不満はありますか。不満がある、ない、それぞれの内容をおしえてください
  • お子さんに受験させることを考えていますか。受験をするなら、どの段階でどういう系列の学校を考えますか
  • 何歳から受験に対する勉強を始めましたか
  • 受験にあたり、どのような勉強をしましたか。その方法を選んだきっかけ、決めてを教えてください
  • 塾に通っていた(現在通っている)方に伺います。通ったことのある塾(通っている)はどこですか
  • 塾や教材などに一か月いくら出していますか
  • あなたにとって学歴とは?
  • 「受験」について思うことを自由にお書きください
  •  
■調査概要
属性 このアンケートの問合せはこちらから
調査方法 インターネット調査
調査期間

2015年2月

回答者数

20代から50代の女性(弊社WEB会員)192名

調査実施機関 株式会社キャリア・マム
web調査のご依頼はこちらから

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