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「ネット選挙」アンケート

2013年4月の改正公職選挙法により、一定の規制はあるものの解禁された、通称「ネット選挙」。
さっそく先日7月21日の参議院議員選挙において 一部の候補者がインターネットを利用した選挙活動を行ったが、その際主婦はどのように受け止め、活用したかを調査した。

問1.今年7/21の参議院議員選挙は、投票に行きましたか。
問2.政党や候補者がインターネットで発信した情報を見ましたか。「見た」と答えた方は、どこで情報を見ましたか。
問3.選挙に関して、どのような情報がインターネット上で発信されていたら参考にしたいと思いますか。
今年7/21の参議院議員選挙は投票に行きましたか? 政党や候補者がインターネットで発信した情報を見ましたか?
■ キーワードは「分かりやすい」こと
先ごろ7月に行われた参議院議員選挙。投票に行ったか聞いたところ、「はい」と答えた人は84.7%と高かった。本アンケートに興味を持ち、回答した会員はやはり選挙にも関心が高いことが分かる。しかし「政党や候補者がインターネットで発信した情報を見ましたか」との問いには「見た」が26.1%、「見なかった」が73.9%となり、今回から導入されたいわゆる「ネット選挙」を活用した人はまだまだ多くはないことが見てとれる。また、「見た」と回答した人に情報源を尋ねてみると、(政党や候補者の)ウェブサイトが75.9%、ブログとツイッターがともに37.9%、YouTube(27.6%)フェイスブック(13.8%)と続いた。
今まではテレビの党首討論番組や政見放送、選挙公報や街頭演説などが投票する候補者や政党を判断する上の主な情報源だったが、そこに割り込んできた「ネット選挙」は、文字と動画を同時に取り込める部分や即時性などが注目される。そこで「インターネット上でどんな選挙情報が発信されていたら、参考にしたいと思いますか」との問いに「いままでに各党が掲げていたことをどれだけ実現できているか」(20代)から「その人の素が分かるようなエピソード」(50代)まで、硬軟取り混ぜたリクエストが寄せられた。具体的には、「選挙期間中や過去に、ある問題に対してどのような発言提案をしてきたか」(30代)「漠然としたきれいごとではなく、具体的な政策。これまでの経歴、とくに政治家としての経歴がある場合は、市町村、都道府県、衆参にかかわらずすべての活動を知りたい」(50代)といった過去の実績や発言内容、「候補者の日常の活動」(40代)「自分が何をやっていきたいのかの具体的な政策」(40代)「本当に考えている選挙後のビジョン」(40代)などの日常から当選後の政策など現在から未来への活動内容の詳細を求める声が多かった。「本当に考えている」という言葉の重みは、候補者に伝わるのだろうか。また、「地域ごとに候補者同士の主張のちがいがひと目でわかるサイトがあるとよい」(40代)などの明快な比較ができるサイトを希望する人も多かった。公平性やさまざまな制約などでなかなか難しい部分はあるが、有権者が知りたいのはあくまでも「わかりやすく実現性が高い内容」(50代)であり、「子どもでも理解できるような内容」(30代)であることを忘れてはならない。
同時に「期日前投票も含め、選挙会場の込み具合」(40代)といった、有権者がスムーズに投票行動を行えるような提案をする声もきかれた。これらは政策等に直接は関係しないものの、投票率に影響するかもしれないと考えると看過できないだろう。
ちなみに、「どっちみち信用できないので、何にも参考にしない」(30代)「たぶん見ないと思う」(30代)という不要派も見逃せない。これらもれっきとした有権者の声であることを、候補者は意識する必要があるだろう。
問4.政党や候補者がインターネットで発信した情報を、投票のために参考にしましたか。また、参考にした・しないは別として、印象的で興味をひかれた政党、もしくは候補者の政党名や名前を教えてください。
政党や候補者がインターネットで発信した情報を投票のために参考にしましたか?
■ 注目度イコール知名度!?
「政党や候補者がインターネットで発信した情報を、投票のために参考にした」という人は65.5%、参考にしなかった人は34.5%だった。これらの設問は前項で「政党や候補者がインターネットで発信した情報を『見た』」と回答している人のみに聞いている。つまり、「ネット選挙」を経験しても、参考にしなかった人が3割強いるということだ。また「参考にした・しないは別として、インターネット上で印象的だった、興味をひかれた政党もしくは候補者の政党名、名前を教えてください」という問いには、やはり以前からよくマスコミに取り上げられている有名人や有名政治家の名前が目立った。これらを支えているのはやはり「知名度」であり、もともと知名度のある人の候補者に関するツイッターやフェイスブック、ブログを見る人が多かったようである。その他、口コミやインターネット上などで「おもしろい動画をあげている」と評判になった候補者の名前も見受けられた。今回の候補者の中で、知名度抜きで内容だけで閲覧された人はいったいどのぐらいいたのだろうか。今後「ネット選挙」を重ねるごとに、内容重視で興味を惹かれるような候補者が増えることを祈るしかない。
問5.次回の選挙では、インターネットで発信された情報を見ようと思いますか。また、そのように考えた理由を教えてください。
問6.「ネット選挙」と聞いて、イメージしていたことはどんなことでしたか。
次回の選挙では、インターネットで発信された情報を見ようと思いますか?
■  発信する側も受け取る側も手探りだったネット選挙
「次回の選挙では、インターネットで発信された情報を見ようと思いますか」との問いに「見ようと思う」「見ようと思わない」それぞれ55.0%、45.0%とほぼ五分に近かった。「見ようと思う」と回答した人の理由は「選挙の時に公約と経歴をまとめて調べるのに便利」(40代)「自分の見たい時に気軽に見られる」(30代)と、インターネットの特性を活用しようとする人や「新聞を取っていないので」(40代)といった物理的な面、「政党で見ると偏見をもってしまうことがあるが、個人の発信で見ると好感をもてることもある」(40代)と候補者個人にフォーカスしやすい面を挙げる人もいた。また、ネット選挙に興味はあるものの「見てみようと思ってはいたが、今回は......。次回はいろいろ見てみたい」(40代)「上手に役立てている人を知りたい」(40代)など、まだまだ手探りの人も多い。もちろん、候補者側もネット選挙を活用する人、しない人、活用できない人などさまざまだ。発信する人、受け取る人双方が手探りのまま投票日を迎えてしまった今回の教訓は、ぜひ次回に何らかの形で活かしてほしいものだ。ちなみに「見ようと思わない」と回答した人の理由として、「テレビや新聞で十分」(40代)「見たい動画の前に特定の政党のCMがあり、知名度を売るような要素と押しつけがましい部分が強く迷惑した」(40代)「面倒くさい」(50代)「高齢者には無理だと思う」(50代)などの意見が寄せられた。残念ながらネット選挙以前に「政治家はどの人を選んでも変わらないと思う」(30代)と思う人がいるのも今の日本の現状である。
また、「『ネット選挙』と聞いて、イメージしていたことはどんなことでしたか」との問いには多くの人が「ネットで投票できると思っていた」(20代)「ネットで投票できると勘違いする」(60代)と答えている。理由は後述するとして、ほかの回答は「手軽に政治に触れられる」(30代)「若者の投票率が上がるかもしれない」(30代)といったポジティブなものから「掲示板などでの言い合いや、炎上ブログのようなイメージ」(20代)「不正が増えそう」(40代)といったネガティブなイメージを持つ人も多かった。
■ 「ネット選挙」は「ネット投票」にあらず
最後に「選挙前と比べて「ネット選挙」は自分のイメージどおりでしたか」との問いに、多くの人が「ネット投票が導入されたのかと思った」(50代)がために「期待はずれ」(50代)と感じる人が多かった。その他の回答として「忙しいのか候補者本人が書いていないであろうことがわかるような書き込みが多く、失望した」(50代)「候補者によって、ボリュームや内容に偏りがある」(40代)などの内容に対する不満や、「候補者側のことしか考えられてないと思うような内容」(30代)「調べなくてはいけないので普段より手間がかかる」(30代)など、有権者側にも情報を取捨選択するスキルが必要であることがわかる。
では、今回の「ネット選挙」で何がもたらされたのだろうか。「政治家の自己満足と空回りで終わった気がする」(30代)という声や「若い人の投票率が上がるかもしれないという期待があったもしれないが、結局全体的な投票率も低く個人的には『こんなもんでしょ』と思った」(40代)という厳しい意見も。一方で「視覚障害者には情報収集の助けになったということを知り、よいと思った」(40代)という回答もあった。

一般的に「選挙に行く」という表現を耳にするが、正確には「選挙に行って、投票する」ことを指す。新語ともいえる「ネット選挙」だが、本来は「インターネットを使った選挙活動」だ。重要な言葉『活動』を端折ってしまったばかりに誤解している人も多く、それが今回の回答にもリンクする。
しかし、将来的には本当にインターネット上で投票可能になるかもしれない。その時まで、この「ネット選挙」という言葉はとっておいた方がよさそうである。とりあえずは次回の選挙からはぜひ「ネット選挙『活動』」という言葉に直して、中身の充実とともに浸透していってもらいたいものである。もちろん、インフラの整備よりも大事なのは候補者の政策であり、これは時代や媒体をまったく問わない。「ネット選挙『活動』」の新たな力を借りて、ひとりでも多くの有権者に関心を持ってもらえるような政治家が誕生することを願っている。

他にも以下の設問がございます。

  • 今年7/21の参議院議員選挙は、投票に行きましたか。
  • 政党や候補者がインターネットで発信した情報を見ましたか。「見た」と答えた方は、どこで情報を見ましたか。
  • 政党や候補者がインターネットで発信した情報を、投票のために参考にしましたか。また、参考にした・しないは別として、印象的で興味をひかれた政党、もしくは候補者の政党名や名前を教えてください。
  • 次回の選挙では、インターネットで発信された情報を見ようと思いますか。また、そのように考えた理由を教えてください。
  • 選挙に関して、どのような情報がインターネット上で発信されていたら参考にしたいと思いますか。
  • 「ネット選挙」と聞いて、イメージしていたことはどんなことでしたか。
  • 選挙前と比べて「ネット選挙」は自分のイメージどおりでしたか。
  •  
■調査概要
このアンケートの問合せはこちらから
調査方法 インターネット調査
調査期間

2013年8月

回答者数

20代から60代の女性(弊社WEB会員)111名

調査実施機関 株式会社キャリア・マム
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