• ようこそ ゲストさん
  1. HOME
  2. 主婦と消費行動研究所
  3. ほんねリサーチ
川は家庭を流れている!?

私たちの生活を潤し、身近な自然であるはずの川について、私たちはどのくらい知っているだろうか。「川」とのつながりをエコと安全を切り口に聞いてみた。

問1 下水に流す油の量が自然環境に影響することをご存知でしたか。
問2 下水に流す水の温度が自然環境に影響することをご存知でしたか。
下水に流す油の量が自然環境に影響することをご存知でしたか。 下水に流す水の温度が自然環境に影響することをご存知でしたか。
■川が暖かくなっているのはなぜだか知っている?
「油200ml(コップ1杯)を川や海に安全に返すためには約60トン(浴槽200杯分)の水が必要」という話を聞いたことがある人も多いだろう。固形のゴミはもちろん、フライパンの油ならぼろ布などで拭いてから、天ぷら油などは新聞紙に吸わせたり専用の粉末剤などで固めるなどして捨てることが推奨されて久しい。その点、さすが主婦率の高い回答者だけあり、ほぼ全員が、油を下水に流してはいけないと認識していた。
 では、下水に流す水の温度についてはどうだろうか。「よく知っていた」はわずか1割、「知らなかった」は6割を超えた。お湯を使えば食器汚れも早く落ち、洗剤量も使用水量も少ない。その意味ではエコなのだが、特に都市部では多くの家庭が同じ時間帯にお湯を排水するため、川の水温が上がってしまっているという現実がある。温水プールのような川と、かつての冷たい川とでは、その環境が大きく変わっているだろうことは容易に想像ができる。まずは、お湯を使うことの影響を理解したうえで、最小限の使用に抑えていければ、よいのではないだろうか。別の設問では、3割強の回答者が、油物をぼろ布などでぬぐってから洗うと回答している。汚れをできるだけ流さないためだろうが、お湯をできるだけ流さないことにも通じる意味ある行動である。
問3 お風呂の残り湯はいつ湯船から抜きますか。もっとも多いパターンを一つ選んでください。
問4 シャンプーを泡立てて髪を洗っている間のシャワーの状態をお聞きします。
シャンプー中のシャワーの状態 お風呂の残り湯について
■洗濯に使えば、水の節約と湯温の冷却ダブル効果!
湯温という観点で見た場合、次に問題になりそうな家庭排水は風呂である。湯船にお湯を張るよりも節約できそうなシャワーも、出しっぱなしにすれば、すぐに湯船が満タンになるほどの湯量となる。シャンプー中にシャワーを止める回答者は全体の3分の2を越えたが、シャワーを普通に出し続けている回答者も1割おり、気を使いながらも出しっぱなしている回答者も合わせると、全体の3分の1が使っていないときにもシャワーを出していることがわかった。水の節約の観点からも、下水処理の観点からも(下水処理費用は水道使用量に比例するかたちで住民負担になっているケースが多い)、また、湯温の観点からも、シャワーの出しっぱなしは、よいことはではなさそうだ。
 湯船にためたお湯は、回答者の3分の2が、翌朝などお湯がだいぶ冷えた段階で排水(洗濯に活用も含む)している。熱いお湯を残しておけば、風呂場は湿気が充満し、カビの原因にもなりかねない。風呂場に窓がない集団住宅も多く、できるだけ早く排水したい家庭が多いだろうと考えていたが、翌朝排水をする家庭は想像以上に多かった。朝、風呂水を使い洗濯をする家庭が多いからだろうか。
 一方で、2~3割の回答者が熱いままのお湯を排水していた。少ないようにも見えるが、実際は、かけ湯やシャワーで多くのお湯が全ての家庭から排水されている。季節にもよるが40゜C前後のお湯が一斉に排水されることを想像すると、入浴が地球温暖化の一因なのか?と思わずにはいられない。実際、下水管を道路の下に流して雪を溶かしている地域もある。もちろん、それぞれの都合で夜に熱いお湯を排水する家庭もあるだろう。そんな場合でも、洗濯に使うことで、湯温も少しは冷却されるのではいないだろうか。それぞれの状況下で、できる範囲での工夫をしていければいいのだが。
問5 どんな状況なら子どもを川や海で遊ばせたいと思いますか。(複数回答)
エコを意識する頻度の変化の理由
■浮き輪とライフジャケット、どちらか一つならどちらを使う?
河川は、夏にはとくに、水とたわむれたり、川辺でバーベキューをしたりと、遊びの場としてクローズアップされる。危険なこと、汚いことを理由に川などでは遊ばせたくないとする親も1割強いるが、回答者の7割が遊ばせたいと回答する親水性の日本人にとって、水辺はおとなも子どもも楽しめる場所である。
  水辺で遊ばせてもいいという条件は、「大人が必ずそばにいる」こと。当然である。「監視員がいる」ならなおさらいい。「浮き輪を必ず持たせる」「ライフジャケットがレンタルできる」が3割弱と同程度だったが、浮き輪とライフジャケットでは大きな違いがある。浮き輪があればある程度安全と思うかと聞いた別の設問では、3分の2の回答者が「そう思う」と答えている。だが、注意しなければならないのは、浮き輪は遊び道具であり、安全具ではないことである。
問6 川や海でお子さんが遊ぶとき、ライフジャケットを着用させたいですか。
川や海での、お子さんへのライフジャケットの着用意向 子供用のライフジャケットを購入してもよい価格
■水辺でライフジャケットレンタル希望! 思ったより安いから買ってしまってもいい?
ライフジャケットを着用した経験はおありだろうか。からだは楽に浮き、ちょっとした波や流れがあっても顔は水上に保たれる。だが、マイ・ライフジャケットを持つ人は少ないだろう。どこでいくらで売っているのかさえ、調べなければわからないような商品でもある。そんなライフジャケットに対する認識を聞いてみたところ、8割以上の回答者が子どもに着用させたいと回答した。無料貸出があればという条件をあげた回答者がそのうち半数を超えたが、購入してでもと回答した割合も1割を超えている。レンタル料はいくらまで出すかという設問では、一日300円~500円が妥当という結果が出た。  ところでライフジャケットとは、いくら出せは買えるのだろうか。シンプルなもので3000円前後からあるようだが、3000円程度なら2割が、2000円程度なら半数弱が買うと回答している。川や海と、ひと夏に何回か使うのであれば、思いっきり夏を、水を、親子で楽しむために、購入しても損はなさそうだ。

 現代の川は山から川にただ流れているだけでない。水道水として取水され、家庭排水を戻される川は私たちの生活の中にまで流れているのである。私たちの水道水の使い方、捨て方は、川につながる山、海、河川域、そしてそこに生きる生物、さらに言えば、地球そのものに影響を与えるのである。
  子どものころから安全に川を楽しむことができれば、川をよい状態に保とうという意識を広げることができるだろう。川との関わりや、安全に川で遊ぶ知識を伝えることは、究極のエコ活動ではないだろうか。

*6月30日公開「やまちゃんの川からはじまるエコ*ファミリー」もご参照ください。

他にも以下の設問がございます。

  • シャンプーを泡立てて髪を洗っている間のシャワーの状態をお聞きします。
  • お風呂の残り湯はいつ湯船から抜きますか。もっとも多いパターンを一つ選んでください。
  • お風呂のお湯は何日ごとに換えますか。
  • 油汚れのある食器を洗うとき、どうしますか。あてはまるものを全て選んでください。
  • 下水に流す油の量が自然環境に影響することをご存知でしたか。
  • 下水に流す水の温度が自然環境に影響することをご存知でしたか。
  • 高校生以下のお子さんはいますか。甥、姪、孫等親しいお子さんでも構いません。
     そのお子さんは、次のどの分類ですか。当てはまるものすべてお選びください。
  • 河川や海でお子さんを遊ばせたいと思いますか。
  • それ(河川や海で遊ばせたくない)はなぜですか。あてはまるものをいくつでもお選びください。
  • どんな状況なら子どもを川や海で遊ばせたいと思いますか。あてはまるものをいくつでもお選びください。遊泳禁止など危険な状況ではないとします。
  • 川や海に行くとき、「浮き輪があれば、ある程度安全」という考えについてどう思いますか。
  • 川や海でお子さんが遊ぶとき、ライフジャケット(水に浮くジャケット)を着用させたいですか。
  • いくらくらいの価格なら、子供用のライフジャケットを購入しようと思いますか
  • 川や海に遊びに行って、子供用のライフジャケットがレンタルできるとすると、いくらくらいの価格なら、借りようと思いますか。
  •  
■調査概要
このアンケートの問合せはこちらから
調査方法 インターネット調査
調査期間

2010年6月

回答者数

20代から50代の女性(弊社WEB会員)390名

調査実施機関 株式会社キャリア・マム
web調査のご依頼はこちらから

«前のページへほんねリサーチTOPへ次のページへ»

ページの先頭へ

この記事が気に入ったら「応援する」ボタンをクリック

応援する