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キッチンの粉もの

肉や野菜などの食材や、塩・砂糖といった調味料のハザマでちょっと陰の薄い「粉もの」。
しかし、料理には不可欠、多種多様な用途に利用される万能食材でもある。
不況によって手作り志向が再燃するいま、主婦が切り盛りするキッチンには、どんな「粉もの」が常備され、利用されているのだろうか。
キッチンの縁の下の力持ち「粉もの」の利用実態について聞いてみた。

問1 あなたが買ったことがある粉ものをすべて選んでください。
問2 あなたが常備している粉ものをすべて選んでください。
買ったことがある粉もの、常備している粉もの
■キッチンの隠れた主役は小麦粉(薄力粉)と片栗粉。これからの可能性が感じられる全粒粉・ライ麦粉。
 家庭のキッチンで使われている粉ものは、その使用度により3つのグループに分類できそうだ。薄力粉(小麦粉)、片栗粉は使用度大グループの筆頭で、ほぼ全員が購入経験者である。多くの料理で必要になる食材であるため、常備している率は9割以上となった。  購入経験では薄力粉、片栗粉に次いでホットケーキミックスが大健闘。常備率も7割に近い。ホットケーキだけでなく、ドーナツやアメリカンドッグ、最近ではケーキなど応用レシピも増えており、子どもが小さくても大きくても、子どものいない家庭でも、手軽に使えるホットケーキミックスは主婦の日常を支えているようだ。
 使用度中グループ、きなこ~白玉粉・だんご粉までは、購入経験は7~8割と高レベルで並んでいるが、常備率となると大きくダウンする。ベーキングパウダー(食用重曹)だけは、常備率が若干高くなるが、これは利用目的が限定されていることが原因と考えられる。たいていの主婦が一度や二度はケーキ作りに挑戦しているものだが、ベーキングパウダーひと箱はそれだけでは使いきれない。そのため、多くの家庭で常備(長期保存)されているのだろう。
 使用度小グループ、全粒粉・ライ麦粉や上新粉などは、購入経験自体が少ないだけでなく、常備率もまた1割を切るが、そのなかで、全粒粉・ライ麦粉の購入率は比較的高く、半数に近い回答者に購入経験がある。全粒粉・ライ麦粉の主たる用途はパンやケーキ作りと考えられるが、半数に近い主婦が全粒粉・ライ麦粉によるパンや菓子作りを経験しているという事実は、健康志向、自然食志向の強さを感じさせるものである。
問3 あまり使わないが、使いたいと思っているものを選んでください。
あまり使わないが、使いたいと思っているものを選んでください。
■粉ものを自由に使いこなす「粉もの匠」が1割、数少ない基本粉だけで料理をこなす「基本粉マイスター」が4割。
 今後使ってみたい粉ものを聞いたところ、「全粒粉・ライ麦粉」では3分の1の回答者が使ってみたいと答え、その大半が「全粒粉・ライ麦粉」でパンやケーキをつくりたいという希望をもっている。ふだんからパンを焼いているが、「全粒粉・ライ麦粉」のパンを作ってみたいという実践派と、単に健康的な食生活をイメージするあこがれ派が混在していそうだが、いずれにせよ、自然食、健康食志向の高さを示していると捉えられる。
 「あまり使わないが、使ってみたい粉ものはない」という回答者が全体の4分の1と、多かったが、回答者の常備粉の種類を見ると、選択肢すべて常備するツワモノ「粉もの匠」から薄力粉オンリーや薄力粉と片栗粉だけという「基本粉マイスター」まで幅があった。前者は使いたい粉物はすべて使っているから、後者はこれだけで十分だからという理由で「使ってみたい粉物はない」と回答したようだ。
 回答者全体を常備粉の点数で「粉もの匠」グループと「基本粉マイスター」グループ、さらに、その中間層に分けると、匠が1割弱、基本粉が4割、提案次第では粉もの匠への道を進む可能性のある中間層が5割程度であった。
問4 使いかけの粉ものを捨てるのはどんなときですか。
使いかけの粉ものを捨てるのはどんなときですか
■保存期間の常識は2、3年程度!? 粉ものの利用状況で性格占いができる?
 買ったはいいが、一度使ったきり冷蔵庫や棚の奥で眠らせている粉ものはどこの家庭にでもあるはず! という想定に反して、「たいてい使い切るので廃棄はしない」というしっかり者の無駄なしさんタイプが3割。血液型で言えばA型タイプとも言えるかもしれない。  一方で、粉ものを使いきれずに廃棄した経験があったのは、全体のおよそ6割。この6割にもタイプがあり、捨てるタイミングでほぼ3等分された。「いつ買ったかわからない粉を発見したとき」捨てる行き当たりばったりで楽天家のB型タイプ、「変質するなど見た目が変わったら」捨てる見た目にこだわるAB型タイプ、さらに「ある程度の期間がすぎたら」捨てるというざっくりだけど理屈屋O型タイプである。
 最長保存期間を尋ねると、「ある程度の期間がすぎたら捨てる」という"ざっくりさん(O型タイプ)"では「1年以内」と「2、3年以内」という回答が多く、「変質するなど見た目が変わったら捨てる」という"見た目にこだわりさん(AB型タイプ)"では「2、3年以内」という回答が多かった。「いつ買ったかわからない粉を発見したとき」という"行き当たりばったりさん(B型タイプ)"でも「1年以内」と「2、3年以内」が多かったが、特徴的なのは前者2タイプに比べ、「5年以上」という回答が多かったことである。反対に、「たいてい使い切るので廃棄はしない」という"しっかり無駄なしさん(A型タイプ)"では「1年以内」に使いきる割合が群を抜いて高いのだが、全体にばらつきも大きく、「2ヵ月以内」に使い切る割合だけでなく、「5年程度」、「5年以上」と回答した割合も、他の分類に比べて大きい。
 性格診断のような粉もの利用4タイプは、食品全体にも当てはまるのではないかと推測されるが、その検証はつぎの機会に!
問5 ホットケーキミックスのように、「こんなものが作れる粉があればいい」と思うものがありますか。
あればいいと思う粉
■粉ものだけに大きく膨らむ期待。本格的な味を手軽に作る専用粉がほしい!
 ホットケーキミックスが用途を広げて多くの家庭で人気なことは前述したが、ほかの粉ものにはもっと可能性が秘められているのではないだろうか? そこで、あったらいいと思う粉について聞いてみた。
 もっとも多かったのがパン類の専用粉。クロワッサン、バターロール、メロンパンなどの用途別パン生地用や、ベーグルやマフィンなどの専用粉を希望する声が上がった。ケーキも同様で、スポンジケーキやシフォンケーキ専用の粉やパイ生地・タルト生地用の粉など、強力粉やベーキングパウダーなどを常備していなくても気軽に焼くことができる、溶いて焼くだけの粉に期待が集まる。
 既に専用粉が販売されていたり、ホットケーキミックスで代替できたりするものもあるが、望まれているのは本格的なものが簡単にできること。簡単にできるからと言ってパリッとしていなかったり、しっとりしていなかったり、さっくりしていなかったりするものはNGだとか。チーズケーキならニューヨークチーズケーキ、ドーナツなら店で販売されているようなふわっとタイプと、専用粉製品化のハードルはなかなか高そうだ。
問6 粉ものを使った思い出深い料理はなんですか。
粉ものを使った思い出料理はなんですか
■世代間で大きく変わる思い出の粉もの料理。30代では食の多様化が明らかに。
 粉ものを使った思い出料理について年代別に比較した。1位のケーキ/焼き菓子では若干40代のほうが多いが大差はない。しかし、40代ではめん類、すいとん/団子汁が30代を2倍近く上回り、ドーナツで2倍、揚げ物では3倍以上高くなっている。反対に、お好み焼き/たこ焼き、パン、ピザ/ナン、餃子/肉まん、和菓子、郷土料理で30代が40代を1.5倍前後上回っている。
 40代に比べ30代では食の多様化が明らかに見て取れる。40代で多いすいとん/団子汁は、その親世代が子ども時代を過ごした戦後の食糧難を反映するかのようだ。終戦から年月が経過し、戦争の記憶の風化が言われているが、粉ものの思い出から見ても、30代と40代の間に大きな溝ができていることがわかる。粉ものが日常生活に密着している食品であるからこそ出てきた結果だと言えよう。

他にも以下の設問がございます。

  • 粉ものを使い切るまでのおよその期間を選択肢から選んでください。
  • 使いかけの粉ものの保存場所はどこですか。いくつでもお答えください。
  • これまでの最長保管記録を教えてください。
  • あなたが粉ものを使ってよく作るものを教えてください。
  • あなたがそれらを作るのはなぜですか。当てはまるものをすべて選んでください。
  •  
■調査概要
このアンケートの問合せはこちらから
調査方法 インターネット調査
調査期間

2009年7月

回答者数

20代から50代の女性(弊社WEB会員)405名

調査実施機関 株式会社キャリア・マム
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