「値上がり」に関するアンケート
「この前まで100円だったのに!」家計を圧迫する、物価の値上がり。
主婦たちはどう受け止めているのか? 値上がりに関するアンケート、緊急公開!
問1.物価が値上がりしていると感じますか?
- ■誰もが口をそろえて!?「最近アレ高いよね」
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物価が値上がりしたと感じるかどうかを聞いたところ、回答者397人のうち「かなり値上がりしたと感じる」と答えた人は69.3%と、ほぼ7割。「まあ感じている」という30%の人と合わせると、ほぼ100%の人が値上げを感じている。これだけ圧倒的多数の人が同じ答えを出す設問もめずらしい。これは、値上げに関するマスコミの報道もさることながら、値上げ対象が生活に密着した商品やサービスだということも手伝って、これまで値段に敏感だった主婦層はもちろん、今まで無頓着だった主婦層までが、敏感に価格を気にするようになったと考えられる。
主婦同士の会話においても「最近○○買ったんだけど、いくらだと思う?」「○○でパン買ったら、すごい金額になった」など、必ず話題にのぼる。オイルショック時のように、流言飛語からパニックになったりすることはない。むしろ「しかたない」「あきらめている」など、冷ややかに世相を見つめる雰囲気さえある。とはいえ、毎日の暮らしの中で値上げは切実な問題。主婦たちのモノを選ぶ目は、いっそう厳しくなるだろう。
問2.価格が上がった、値上げしていると感じる商品・サービスは何ですか? 具体的に教えてください。
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■小麦ショックにガソリン狂想曲!? 翻弄される消費者の悲劇
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値段が上がった、値上げしていると感じる商品、サービスは何かを聞いたところ、97.0%の人が「食料品」と答えている。次いで「ガソリン」が92.7%。以下、日用品や生活雑貨(59.9%)や光熱費・公共料金(50.6%)と続き、いずれも生活に密着した商品であり、主婦にとっては直截的な打撃だと言える。
また、具体的に値上げをしていると実感した商品については、49.4%と半数ちかくが「小麦製品」を挙げた。特に、パン、パスタ、ラーメンなど、日常的に需要の多い商品の値上げに敏感なようだ。特にパスタなどは、「倍になった」という声もあるが、デュラム小麦のはげしい高騰で、他商品に比べると値上げ幅が大きい。小麦とのちがい、生産国の事情などにも目を向ける機会にはなるが、お手軽な一品が休日の昼食から遠のくことにもなりかねない。
また、ガソリンについては言わずもがなではないだろうか。値上げと値下げの狂想曲が繰り広げられたこの数カ月、「この日までに」とか「月が変わったら」など、給油のタイミングや車の使い方・・・、振り回された人も多かったのではないだろうか。
問3.物価の値上がりで、より節約を心がけていますか?
また、我慢して節約したり、物価高の防衛として、対策していることはありますか?(複数回答)
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■プラスアルファを削って、ミニマムに暮らす
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物価が値上りすると 消費者の買い控えや節約を誘う、というのは定説である。値上がりの影響で、より節約を心がけていますか?と聞いたところ、「今までと変わらず節約を続けている」という63.5%の人と、「今まで以上に節約をしている」という28.7%の人とで9割以上を占めた。中には「もともと節約が趣味なので、生活は変わらない」と答える人も。
では、物価の値上がりに対して、どういった対策を講じているのだろうか。我慢して節約していること、または物価高の防衛としての対策を聞いたところ、「車の使用を控える」がトップで、13.9%だった。次いで、「いつも買うもの、好きなものを買わない(11.6%)」「まとめ買い(11.3%)」「ポイントをためる(10.6%)」「外食を控える(10.6%)」「無駄なものを買わない(10.6%)」「安いもの、PBブランドの購入(10.1%)」と、ほぼ変わらずに続く。これを見るかぎり、今までの生活におけるプラスアルファの部分を削って、ミニマムな生活に変えようという姿勢がうかがえる。
問4.家計の節約のため、夫にやめてもらいたいことはありますか?(複数解答)
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■タバコ、お酒、光熱費・・・節約イコール夫教育!?
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興味深いのが、「家計の節約のために、夫にしてもらいたいこと」という設問だった。やはりトップは圧倒的に「タバコ、酒などの嗜好品」が 36.8 %を占めた。喫煙者にとっては逆風が静まらないが、「体に悪いし、家計にもひびく」という妻側の声は、夫への切実な願いなのだろう。次いであがったのが「特になし・既に協力している」( 19.4 %)であったが、この層はタバコと 酒 を既に やめた 、またはもともと飲まない夫への評価とも受け止められる。
しかし、こと光熱費や通信費に 関して、 男性は無頓着なのかもしれない。 15.6 %の人が、「通信・光熱費の無駄使いをやめてほしい」を挙げている。「テレビやエアコンのつけっ ぱなし 」「シャワーを出しっぱなし」などの声が多数聞かれた。日中、快適なオフィス環境で過ごす夫に対し、生活の場 = 家、という主婦にとっては節約のしどころなのだろう。
また、パーセンテージとしては低かったが、フリーのコメントと あわせて 興味深かったのは「偏った食生活・料理に不満を言う・食べ残す」( 3.3 %)である。「お肉の ひろい 食いはやめてほしい」「子ども以上にお菓子代がかかる」など、まるで子どもへの小言のような声。「節約は夫教育」というコメントも、見逃せない妻のほんねと言えるだろう。
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■行き着くところは、考えるべきこと。
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「心の栄養になるようなものは購入せず、生活必需品しか買っていない」・・・こんな声を聞くと、日本の豊かさとは何ぞやと、改めて考えさせられる。おもてなしの心や、気持ちの余裕を生む「ささやかな贅沢」が、今、なくなりつつあるのだろうか。
物価が値上がりすることで、パニック的要素 こそ みられないが、それはオイルショック時と違って豊かさに慣れきった日本人の、無用な無頓着さではないだろうか。少なくとも、便乗値上げやマネーゲーム、そして何より一向に改善されない政治への不満が、一介の主婦には諦めと溜息となって「 しかたが ない」など、冷ややかな反応を生んでいるのだろう。
だが、無駄なものをなくすことは、各家庭のためだけではない。日本や世界、地球規模で取り組むべき資源枯渇問題に通じる。今までひっ迫感を感じなかったかもしれない「資源の大切さ」。物価の値上がりという痛みによって、個人に対し警鐘を鳴らす結果になったと言えよう。
他にも以下の設問がございます。
- 値上がりの影響で、最近買わなくなった商品と、買うようになった商品があれば、教えてください(複数回答)
- 今後「これが値上がりしたら、かなり困る」と思う、商品、サービスはありますか?(複数回答)
- 物価が上がり家計が少しくらい苦しくても、「これだけはやめられない」と思うことはなんですか?(複数回答)
■調査概要
調査方法 |
インターネット調査 |
調査期間 |
2008年9月 |
回答者数 |
20代から50代の女性(弊社WEB会員)397名 |
調査実施機関 |
株式会社キャリア・マム |
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