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どんな仕事をしていますか?
私の仕事は、パイロットです。
自家用操縦士、事業用操縦士、操縦教育証明の取得に係る訓練飛行を担当しています。
中学生のときには、「パイロットになる!」と決めていました。高校を卒業後、専門学校で事業用操縦士(プロ)までの免許を取得し、大阪の八尾空港で働き始めました。
宣伝飛行、遊覧飛行、さらにはカメラマンと組んで上空から撮影する航空写真撮影などを経験。
また、操縦教育証明(操縦教官)を取得しました。
その後、27歳で結婚し、東京の調布飛行場へ転職しました。
そこでは、多発限定(プロペラが2つ以上の大型)の免許を取得。
けれど、29歳で妊娠したので一旦退職したのです。
5年以内に再就職する約束でしたが、その会社が倒産。
ならばと、第3子を出産。36歳のときには、縁あってキャリア・マムで3年近くパート勤務をしていました。
その後、念願叶って39歳から現在に至るまで、調布飛行場にあるアイベックスアビエイション(株)で、再びパイロットとして勤務しています。
その仕事を始めたきっかけは?
航空業界は男性主体の社会ですので、子育ての専業主婦から、いきなり復帰する勇気はありませんでした。
でも、外へ出たい気持ちが強く、常にアンテナを張り巡らせていたように思います。そんなとき、新聞でキャリア・マムのことを知ったのです。
近所だったので、さっそく事務局へ伺い、その後、働くことに。そ
の際、困難極まる保育園の手続きで、いろいろ援助していただき本当に助かりました。
子どもがまだ1~7歳という大変な時期に、キャリア・マムで、子持ち主婦として働く覚悟や、仕事を生み出す方法、会社を育てるということ、そしてパソコンの使い方など、たくさんのことを教えていただきました。
そのおかげで、順調に復職を果たすことができたと思っています。
10年ぶりに復職した感想は?
10 年経って、航空業界へ初々しく戻った私は、社内の平均年齢の上をいっていることにびっくり!?
20 代の頃は、年上のおじさんたちにイビられながら、がんばっていたのに、今では若い男性たちから親切に気遣ってもらえ、彼らにいろいろなことを教える立場になりました。
年齢を重ねるっていうのも、まんざらではありませんね!
大変だったことは、仕事と家庭のバランスの取り方です。
今の職場では正社員になると勤務時間が9時間を超えるので、嘱託のままでいます。また、復帰後、操縦に関しては比較的早く感覚が戻ってきたのですが、授業をするための勉強は、新しいところもあり、やり直すのに数年かかり大変でした。
夫とのコミュニケーションで気をつけていることは?
夫も同業で、隣の会社に勤務しています。
最初から共働きだったので、「手の空いたほうが家事をする 」ということを自然にやってきました。
長男が生まれたころ、たまたま夫は無職だったため、母乳をあげること以外の子育ては何でもできるようになりました。
しかし今では、夫の勤務が忙しく、出張も多いため、私のほうが大変です。
今後の夢や目標とは?
飛ぶおもしろさや、操縦士になるための勉強の仕方を、ブログなどで発信してみたいです。
「空飛ぶおばあさん」になるのが、将来の夢かなぁ……。
生活の糧であり、生きがいのひとつです!
子育てを経験する前と後の自分に、大きな変化があります。
働きたくても働けない、辛い気持ちを抱えた6年間もの子育て専業主婦を経たからこそ、ただ、働きに外へ出られるということ、自宅の他に行く場所があるということが、ありがたく幸せで、何でも楽しく、やりがいを感じました。
また、子育てを通して、人の心や人それぞれの育ち方にも思い至るようになり、教官としての幅も広がったように思います。
仕事での評価がすべてであった以前とは違い、今では仕事は生活や私自身の一部と思え、ぐっと肩の力が抜けるようになりました。
名前: 阿部さん
生年月日: 1962.6.26
家族構成:
夫と息子3人の5人暮らし
職種: 小型飛行機の操縦士
勤続年数:
現在の会社には7年勤務
年収:
時給制の嘱託社員のため、詳細は出せません
6:00
起床、朝食の準備、ときどき弁当作り、帰りが遅くなる日は夕食の準備
7:00
子どもたちと朝食、出勤準備
8:00
出勤
9:00
出社、気象確認、フライト打合せ
10:00
フライト
13:00
昼食
14:00
フライト後、ブリーフィング(ミーティング)
15:00
座学授業
16:30
退社
17:30
帰宅、夕食準備、家事
19:00
夕食
20:00
家事、その他
21:00
風呂、体操
22:00
就寝
毎年夏休みは、妹の家へ強化合宿に行きます。
子どもが6人集まると、とってもにぎやか。これは和歌山県のログハウスへ、みんなで行った時の写真です。