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子どもの預け先に関するアンケート

先日、ベビーシッター宅で母親から預かった幼児が死亡するという痛ましい事件が起きた。そこで、マム会員に我が子を家族以外の誰かに預けざるを得ない状況になったらどうするか(どうしていたのか)、子どもを「預ける」ことをどのように考えているのかを調査した。

問1.就学前のお子さんを、家族以外の誰かに預けたことはありますか(幼稚園や保育園など日常的に通っている所は除く)。
問2.前項にて「はい」と答えた方、お子さんをどこに預けましたか。(複数回答可)また、その預けた先を選んだ理由を教えてください。
就学前のお子さんを、家族以外の誰かに預けたことはありますか 「はい」と答えた方、お子さんをどこに預けましたか。
■ 子どもを誰かに預けなければいけないとしたら、どこへ預けるか?
まず最初に「就学前のお子さんを、家族以外の誰かに預けたことはあるか」と聞いたところ、「はい」と回答した人は6割近くにのぼった。そこで、「はい」と回答した人の中でさらに「どこに預けたか」を聞いてみると、一番多かったのは「親や親戚」の51.6%で、「近所の人・ママ友」(48.4%)「保育園の臨時保育」(42.2%)と続き、この3つが非常に多かった。次いで「ファミリーサポート」の(18.8%)、今回事故が起こって注目されてしまった「ベビーシッター」は9.4%となった。またその他(10.9%)として「イベント主催者が用意してくれた臨時保育」「デパートの一時預かり」など、一時的なサービスを利用した経験によるものを挙げる人が多かった。
また、預け先を選んだ理由としては「家から近い」(51.6%)「保育士(預かってくれる人)が信頼できる」(35.9%)「融通がきく」(31.3%)などが上位に挙がった。子どもの年齢や状態もさることながら、ここではどうしても預ける側の親の都合が優先されることがみてとれる。ちなみに、その他(14.1%)の回答の中には「信頼できるから」(50代)「安心して任せられた」(40代)という理由もあれば、「他に預けるところがない」(40代)といった逼迫した理由も見られた。
問3.どうしても小さい子どもを連れていけない不測の事態が起こったとき、ここに預ければいいというあてはありますか(ありましたか)。
問4.これまで、お子さんを預けたときにトラブルはありましたか。「ある」と答えた方、差し支えなければ、具体的にどんなトラブルがあったか教えてください。
どうしても小さい子どもを連れていけない不測の事態が起こったとき、ここに預ければいいというあてはありますか(ありましたか) これまで、お子さんを預けたときにトラブルはありましたか
■ やっぱりある「預け先でのトラブル」
次に「どうしても小さい子どもを連れていけない不測の事態が起こったとき、ここに預ければいいというあてはありますか(ありましたか)」との問いで一番多かったのは「親や親戚に預ける」で、60.7%にのぼった。次いで「保育園の臨時保育」(21.5%)「近所の人に預ける」(16.8%)「留守番させる」(7.5%)「考えていない(考えていなかった)」(6.5%)
と続いた。先日悲しい事件の舞台となってしまった「ベビーシッターを利用する」も4.7%いた。その他(10.3%)の意見としては、「ママ友に預ける」(30代)「転勤族で急に預ける親などがいなかったので、常に信頼できる預け先(有償・無償問わず)を探していた」(40代)中には「夫の親と住んでいるので見てくれる・・・短時間なら」(40代)という意見も。親と同居しているからといって、いつでも預かってもらえるとは限らない家もあるようだ。
そしてやはり気になる、「預けた際のトラブルの有無」についても聞いてみたところ、「ある」が6.5%存在した。そこで「具体的にどんなトラブルがあったか教えてください」と聞いてみると「おむつを替えてもらえないまま、しかも『ずっと泣きっぱなしだった』と保育士に不満を言われた」(40代)「保育士がつねった」(40代)「事前に『卵のアレルギーがある』ということを伝えておいたにもかかわらず、給食で食べさせられてしまった」(30代)など、耳を疑うような事例がいくつか見られた。また「夫に預けたが必要なことは一切せず、ただ子どもを生かしておいただけだった。それでも感謝しなければいけないのか」(40代)という、家族に対する怒りのトラブル事例も見られた。
問5.小学生のお子さんがいる方(いた方)、長期休暇中や放課後、仕事やどうしても外せない予定があるとき、預け先はどうします(どうしました)か。
問6.小さい子どもの預け先として、どんなシステムがあったら便利だと思いますか 。
小学生のお子さんがいる方(いた方)長期休暇中や放課後、仕事やどうしても外せない予定があるとき、預け先はどうしますか(どうしましたか)
■ いざというときの理想の預け先はどこ?
小学生のお子さんがいる方(いた方)、長期休暇中や放課後、仕事やどうしても外せない予定があるとき、預け先はどうします(どうしました)かと聞いたところ、 「親や親戚に預ける」(41.1%)、「留守番させる」(40.2%)、「学童に預ける」(24.3%)が多かった。小学生ともなると少しずつ留守番などができる年齢にもなってくるが、子どもの性格や家庭環境により、必ずしもできるとはかぎらない。「夫に仕事の都合をつけてもらったり、信頼できる友達に預かってもらった」(40代)など、身近な人を頼る回答もみられた。
そして「小さい子どもの預け先として、どんなシステムがあったら便利だと思いますか」という問いには、さまざまな視点からの意見が寄せられた。
たとえば「事前予約だけでなく、急な預かりにも対応してもらえると便利」(30代)「24時間安心して預けられるシステムがあったら助かる」(30代)といった、突然の預かりに迅速に対応してくれるサービスを挙げる人が多かった。一方で、「事前にちゃんと打ち合わせや顔合わせをしてくれる預け先でないと、当日いきなり子どもを預けるのは不安」(30代)という意見も。急用で預かってくれるところは便利だが、運営者の顔が見えないのも不安ということだろう。「きちんと認可された、低価格で利用できる施設」(40代)が理想と言えそうだ。
また「好きなときに子どもの様子が見られるカメラが設置されている」(40代)モニタリングや「駅内の臨時保育可能な保育園」(30代)といった立地条件、「公費での保育ママ又は保育施設」(50代)などの公的な補助、「病児保育ができる所(小児科)」(50代)「一時保育の空きがパソコンやスマホで検索できるシステム」(40代)など、さまざまなサービス内容が挙げられた。 そして、預かり側の明確なスキルの提示を求める人も。「信頼できるベビーシッターを点数制で評価する制度」(30代)「子育て経験がある人。 学童など、小学生の対応が慣れている」(40代)「まずは信頼できる保育士やシッターがいることが前提」(40代)これらはやはり、先日の事件を受けてのことだと思われる。
また、核家族化が当たり前のようになった昨今でも、昔ながらの「ご近所パワー」に期待を寄せる人も多い。「何軒か信頼できるファミリーサポーターに登録できる制度があったらいいなと思う」(30代)「近所に信頼のおけるネットワークがほしい」(40代)「ファミリーサポート制度は登録制で手続きが面倒そうなので、姑みたいに気をつかわなくてすむような、気軽に預けられる『近所のおばちゃん』みたいな人がいればと思う」(40代)という意見も根強い。「遠くの親戚よりも近くの他人」ではないが、身内以外のつながりを求めている親もいることが分かる。
問7.お子さんに留守番をさせたことはありますか。「はい」と答えた方、何かトラブルや困ったこと、びっくりしたことなどエピソードがあれば教えてください。
お子さんに留守番をさせたことはありますか
■ 安全に留守番させるための工夫を考える
「お子さんに留守番をさせたことはあるか」との問いに、「はい」67.3%、「いいえ」が25.2%だった。「はい」と答えた方に「子どもを留守番させていて、何かトラブルや困ったこと、びっくりしたことなどのエピソード」を聞いてみた。
子どもに留守番をさせることで、さまざまな心配やちょっとした「事件」はつきもの。「いろいろなお菓子を食べまくっていた」(40代)から始まり「私が帰宅したら、泥棒が入ったように部屋が散らかっていた」(40代)「ガスコンロを使って料理をしていた」(40代)など、想定外のことが起こることも。笑ってすませられるものから「夏場で暑いのに、窓も全て閉めっぱなしで汗だくでいた」(50代)「私に電話をかけようとして、かけかたが分からず困っていた」(30代)「鍵を開けっ放しで出かけてしまった」(40代)まで、思わずヒヤッとした体験をした人も。そして子どもによっては、ひとりになるさびしさに耐えきれないことも。「一人でいるのが怖くなって、子どもから近所の人に助けを求め、私が帰宅するまでそこのお宅に居させてもらった」(30代)など、近所に駆け込める家があるのは心強い。大人にとっての「ちょっとそこまで」行く時間も、子どもにとっては長くつらい時間を過ごすことになるかもしれない。どうしても留守番をさせなくてはならなくなった場合、子どもの性格、年齢に応じて家ごとに「インターフォンは画像で確認して、基本的に友達以外の知らない人の場合は出ない、電話も勝手に出ないようにしている」(40代)というようなルールをあらかじめ決めておくのがよいだろう
■ 必要、不安、覚悟......。さまざまな想い
アンケートの最後に「子どもを預ける」ということをどう考えているのかを聞いてみた。すると、人によって何を重要視しているのかがさまざまな切り口から見えてきた。
まず預ける「目的」について考えている人は「どうしても必要なときに、いつでも預かってくれる安心なサービスがあると嬉しい」(40代)「働いていないのに子どもを預けるのはとても抵抗があるが、でもリフレッシュで外出したい時もあるので、いつでも預けられるような場所があるといいなと思う」(40代)といった、さまざまなシーンでの利用が挙げられた。
預ける「場」について考えている人は「たくさんの施設で託児所を作れば良い」(40代)という理想的な意見や「下の子が産まれたとき、上の子の幼稚園の迎えをファミリーサポートに依頼したが、費用面で納得がいかないし、制約が多くて本当に利用したいときに使えない印象が残った」(40代)など、サービス面で思い通りに行かなかった経験を持つ人の意見もあった。また、「預けるというより、子どもをみんなで育てるシステムがほしい」(40代)「信頼できて子どもが喜んで行ける預け場所があってこそ、親は安心して仕事に行けたり、外出ができたりする。学童卒業後の壁はとても高い」(40代)といった経験談も貴重だ。こうした生の声はぜひ、行政に活かしてほしいものである。
預ける「人」はもちろん信頼のおける人でないといけないのだが、見極めるのが難しいというのは先日の事件でも問題となった。やはりここでも「親以外に預ける場合には、本当に信頼できる人にしか預けられない」(30代)という意見が多かったが、「『信頼』を客観的に判断することが難しい」(40代)のが現状。「信頼できるプロを増やし、彼らにきちんとした対価を支払い、成り立っていくシステムが必要だと考える」(30代)という意見も。また前項にて「ご近所パワー」に期待する人もいたが、「よほど信用のおける人でも、お友だちの家などはかえってご迷惑をおかけすると思いなかなかお願いできない」(40代)という現実もあるようだ。
そもそも、「預けない方向性」について考えている人も見られた。「自分自身が不安で預ける勇気がない」(30代)、「子どもが小さい間は預けることはしなかった」(40代)などの「預ける」という選択肢を持たない人たちだ。子どもへの影響を考えてのことだと考えられるが、「子どもの気持ち」を重視する人は「子どもはものではないので、相性や気遣いが必須」(40代)「いきなり親の都合で預けられる子どもも大変だし、心の整理がつかないと思う」(40代)と考える人がいる一方「子どもにとって、違う環境で新たな人に会うことは成長の刺激になると思う」(40代)という意見もみられた。
また、先日の事件について直接触れる人も多かった。「会ったこともない人に預けるのはナンセンス」(40代)と厳しい意見の一方で「怖いと思ったが、でもニーズがそれだけあるのだということ。信頼できるシッターと、それを求めている人をつなぐ、ちゃんとした仕組みが必要」(40代)という声も。悲しい事件を繰り返さないためにも、制度を早急に整備する必要があるのは言うまでもない。
必要だと思ってはいても、子どもを預けることの「後ろめたさ」について意見のある人も。「子どもを預けることを特に年配の方などは非難するのかもしれないが、そうせざるを得ないときに核家族では第三者に預けるしかない」(30代)と必要性を訴える。また、「昔は『人に子どもを預けて』と人の目が気になったり自己嫌悪に陥ったりしていたが、今はお互いバランスのとれたライフスタイルと割り切れるようになった」(40代)という考えの変化を述べた人もいた。
そして、「子どもを預ける」という考え方そのものを問う人もいた。『急に預けられるところがある』という発想ではなく、急な用事には子連れでもよい、とか子どもがいる人は急には出られないことがマイナスにならないという社会の構築の方が大事」(40代)という考え方だ。さらに「子どもを預けてまで働かないと生きていけない社会が間違っていると思う」(40代)と指摘する人も。
確かに金銭的な問題や行政の対応、他人からの目、職場への気遣いなど、置かれている状況や子育てする時代や地域によって千差万別であるが、「子どもを預けること(場所)」は、親たちの「悩みどころ」ではあるのは間違いない。「意見を言いたいけれど考えがまとまらずうまく言えない」(30代)という回答にもうなずける。「金銭的にも精神的にも大変なので、もっと気軽に預けられれば働くお母さんが増えていいと思う」(30代)「もっともっと子どもを育てやすい日本になってほしい」(40代)と願う親心が、いつか実を結ぶような社会に発展していくことを願っている。

他にも以下の設問がございます。

  • 就学前のお子さんを、家族以外の誰かに預けたことはありますか(幼稚園や保育園など日常的に通っている所は除く)。
  • 前項にて「はい」と答えた方、お子さんをどこに預けましたか。(複数回答可)また、その預け先を選んだ理由を教えてください。
  • どうしても小さい子どもを連れていけない不測の事態が起こったとき、ここに預ければいいいというあてはありますか(ありましたか)。
  • これまで、お子さんを預けたときにトラブルはありましたか。「ある」と答えた方、差し支えなければ、具体的にどんなトラブルがあったか教えてください。
  • 小学生のお子さんがいる方(いた方)、長期休暇中や放課後、仕事やどうしても外せない予定があるとき、預け先はどうします(どうしました)か。
  • お子さんに留守番をさせたことはありますか。「はい」と答えた方、何かトラブルや困ったこと、びっくりしたことなどエピソードがあれば教えてください。
  • 小さい子どもの預け先として、どんなシステムがあったら便利だと思いますか 。
  • 「子どもを預ける」ことについて、あなたが思うことを何でもお書きください。
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■調査概要
属性 このアンケートの問合せはこちらから
調査方法 インターネット調査
調査期間

2014年3月

回答者数

20代から60代の女性(弊社WEB会員)107名

調査実施機関 株式会社キャリア・マム
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