拝啓、色を知らないあなたへ。
はじめてクリスマスを一緒に過ごした時、「この時期は街が暗く見える」とつぶやいたあなたの言葉で、あなたの生きる世界に少しだけ色が足りないことを知りました。
あなたは青くみずみずしい香りを運ぶ新緑のミドリも、陽だまりの中で目を閉じた時に照るアカも知らないけれど、色に囚われないあなたはモノラルな世界をとても上手に楽しんでいて、一見すると何不自由なく生活しているように思えます。
そんなあなたに、私はこの世界の明るさを教えたい。ミドリがどれだけ柔らかく、優しい色をしているか、アカがどれだけ暖かく、情熱的な色なのか。言葉を組み立てて伝えたい季節が、景色が、世界が、たくさん、たくさんあるのです。
あの時、うまく言えなかったプロポーズの返事をここでさせてください。私は、あなたの目になってあなたを支えていきたい。どうか末永く、よろしくお願いします。
一見、何の不自由も感じさせないで生活している彼の周囲に対する気遣いと強さ、そんな彼に色を教えてあげたいという彼女の優しさ...素敵です。お二人とも、末永くお幸せに！
1982年シャンソニエの老舗・銀座「銀巴里」でプロ活動をスタート。2002年「わが麗しき恋物語」が、"聴くものすべてが涙する歌"としてヒットし一躍脚光を浴びる。2010年、「INORI〜祈り〜」で第61回NHK「紅白歌合戦」初出場を果たす。2014年、「広い河の岸辺〜The Water Is Wide〜」をリリース。ニュース番組・ドキュメンタリー番組にも取り上げられロングヒットに。2016年、"クミコｗｉｔｈ風街レビュー"を始動、デビュー35周年を迎え全作詞：松本隆、サウンドプロデュース冨田恵一、作曲陣には、横山剣、菊地成孔、村松崇継などトップクリエーターを迎えアルバム「デラシネ」をリリース、各方面で精力的に活動中。
(http://www.puerta-ds.com/kumiko/)
