届かなかったラヴレター
応募作品紹介~匿名
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
衝撃でした。
高校三年の春転校して来て
受け持ち教師に紹介されて
教壇の端に立った貴女を見た時、
少し長めのお下げの黒髪と
透き通った白い肌の顔
そして秀いでた鼻梁と黒い大きな瞳
私達田舎の女子生徒にはない
垢抜けたセンスを感じました。
そして更に驚いた事は英語の時間の時
女教師に指名されてリーダーを読んだ
その澄んだ声と教師に負けない素晴らしい発音、
私達教室の隅の一団の男子生徒は
皆その美しい声に聴きほれていました。
その彼女の英語の素晴らしい発音の因が解りました。
貴女は夏休みの補修授業の後
省線に乗って市の中央にある
英語塾に通っていたのでした。
塾を終えて省線から降りてくる貴女を
私は古い駅舎の改札口の上にある大時計の秒針が
一刻一刻動くのを見つめながら待つのです。
でも駅に降りて来た貴女に声を掛ける事も出来ず
足早にバスに乗る貴女を見送るのです。
私は学校の通学証明申込書から住所を知り
手紙を書いたのですが、
一週間後未開封で返されて来た。
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