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教えて!ごとう先生

仲間はずれにされている息子

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. 仲間はずれにされている息子

20150325_ph.jpg小1の息子の友だち関係で悩んでいます。我が家では息子にゲーム機を与えていません。それで息子が文句を言うことはないのですが、お友だちから「○○(ゲーム名)を持っていない奴はこっちに来るな」と仲間はずれにされることがあるようです。息子はそれでもその子を友だちだと思っており、見ていてかわいそうになってきます。「そんな子とはお友だちをやめなさい」と言ってしまいたくなるのですが、見守った方がいいのでしょうか。

(HN:たいママ)

A. 息子さん本人の気持ちを考えてあげて

持たせない場合のふたつの問題

これは難しい問題ですねえ。日本において教育をまじめに考えている人のほとんどが頭を悩ませているテーマです。ゲーム機をスマホに置き換えると中学生や高校生、その親や指導者も同じ問題で悩んでいることがおわかりいただけると思います。

そんな大きな問題ですから、簡単に答えは出ません。ですから、あくまでヒントを。まずゲーム機の功罪ですが、これは正直大方の児童にとっては罪の部分も少なくないようです。ゲーム機は、他のあらゆる分野への興味やそれに費やせたはずの時間を奪ってしまいます。いくらでも直接的体験が可能な時期に、ゲームに興味と時間を奪われるのは、損失といえるでしょう。

ただし一方で、ゲーム機を持たせぬ場合、現実的な問題がふたつあります。ひとつはお悩みの仲間はずれの件、これは学年が上になるとイジメに発展する可能性もあります。見すごせない問題です。もうひとつは「ハマるべき時期にハマってないと大人になってからハマってしまう」ケースがあるということ。小学生にはゲームなどにハマってほしくはないのですが、それでもどこかで通過せねばならないなら、親という歯止めが存在し、自身が自由にできる財力に限りがある時期の方がいい。大人になれば止める人はいないし、時間は自由になるし、財力だって子どもよりはある。ゆえに、免疫のない人がハマっちゃうと、やめられなくなっちゃうこともあるのです。

持たせた方がいい場合もある

これらふたつの問題をふまえて、持たせるか持たせないかを決めるわけですが、その際、重要なのが本人の気持ちです。本人がゲーム機に強い関心を持っているか。もし持っていなくて、持っている友だちへのうらやましさも覚えていないのなら、他のことでしっかり存在感を示すなり共通の友人を持ち、つかず離れず仲間とうまくやる方法を身につけて、ゲーム機を持たなくても仲間はずれにされることなく小学校生活を送ることも可能です。

ゲーム機のピークは3、4年次です。以降はスポーツだの、習いごとだの、中学受験だの、スマホやパソコンへの移行だので、ゲームも特別ではなくなります。そうなれば、もうゲーム機を持ってないことがコミュニケーション上でのハンディキャップにはならない。

本人の気持ちについて、もうひとつ。それは仲間への気持ちです。仲間はずれにされていることを本人が自覚しているかどうか、それを気に留めているかどうか、要は敏感か鈍感かということです。ここで前者ならご家庭の教育方針にはそぐわなくとも与えてやった方がいい結果につながる気もします。意識をすれば行動に出ます。行動に出ればリアクションも大きくなる。リアクションが大きい子は、からかい甲斐があるので、イジリやイジメの対象になりやすい。そんなことと比較すれば、ゲーム機のおよぼす悪影響くらいどうってことはありません。
ただ幸運にして息子さんが鈍感で、仲間はずれにされていることを感じず、そこに不満を覚えていないのなら、しばらく様子をみるのもよいでしょう。持っていないのにしつこくまとわりついて嫌われるというケースもないわけではありませんが、まだ無反応な相手への組織的なイジメに発展する時期ではないと思いますので、その間に同じくゲームに関心を持たない、親の教育方針に通じるものがある子と友だちになりグループを形成できる可能性もあります。

いろいろ語りましたが、楽ではないといえ、ゲーム機を買い与えても、親がしっかり管理監督できるなら、弊害は少ないでしょう。もっとも親から管理監督の手間を省いてしまう(ゲームをやっている間はほったらかしにできる)のもゲーム機の魔力のひとつですけどね。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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