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教えて!ごとう先生

私立中学、やめるべきか否か

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. 私立中学、やめるべきか否か

20161012.png  中2の息子のことで相談です。中学受験で第2希望だった私立中学に通っています。あまり面倒見のよい学校ではなく、精神年齢の幼いうちの子には合わないようです。運動も苦手、勉強もついていけず、要領のよい運動部の男子からバカにされ、女子ともあまり仲よくできずという毎日。とくに勉強のことは深刻で、このまま高校に上がったら確実に留年する成績です。何かのきっかけでスイッチが入れば好転するのではと期待する半面、ここにいても成功体験ができる見込みもないし環境を変えてやりたいとも思います。でも、親子ともやめる決断をする勇気がありません。息子にも仲のいい友だちは少ないですがいますし、決定的ないじめはありません。どこで見切りをつければいいのか、このまま息子の成長を待って見守るべきか、先生のご意見をお聞かせください。

(HN:くま母)

A.外部の高校進学をめざすとよいでしょう

私立中に通い続けて

 とても難しい状況ですね。何が正解かは誰にもわからないでしょう。そういうときは原点に戻ることです。そもそもなぜ私立中学に進ませたか、おそらく息子さんの充実した中学生活と将来を考えてのことでしょう。ならば基準はそこです。
 そして選択肢はふたつ。このまま今の私立中に通い続けるか、公立に転校するか。このそれぞれについて可能性レベルではありますがメリット・デメリットを検討していく。
 気になるのは「精神年齢の幼い」という点です。さらに「運動も苦手、勉強もついていけず、要領のよい運動部の男子からバカにされ、女子ともあまり仲よくできず」ということですが、こういう子にとって私立中か公立中かどちらが過ごしやすいのか。この点についてははっきりお答えできます。私立中です。一般的に公立中の生徒は私立中の生徒より歯止めがききません。「学問は苦手だけど運動は得意で要領がいい」という子なら公立をおすすめしますが、息子さんの場合はその真逆。公立ではイジメや揶揄のターゲットとなる可能性が高そうです。しかも転校生として交わらなければならない。ただでさえ転校生というのは注目の的になりやすい。人づきあいが苦手でも学校のしきたりだの仕組みだのを知らないので、どうしてもクラスメイトに質問しなければならない機会も多くなる。部活や実技科目(特に体育)の比重もまず間違いなく今より大きくなるでしょうから、息子さんには相当のストレスになると思います。おそらく今以上の。

高校受験のための勉強をしよう

 「何かのきっかけでスイッチが入れば好転するのでは」と考えられるお気持ちはよくわかります。しかし公立中への転校が好転へのスイッチになることは考えにくい。もしそのきっかけがあるとすれば学校以外のどこかであるか、第二次性徴に伴う劇的な身体的変化であると思います。特に男の子はひ弱だった子が化ける例はざらにありますから。
 現在通学が困難な状況だったり犯罪レベルのイジメが存在していたりするのであれば話は別ですが、そうでなければ転校しても事態はよくなることはないでしょう。完全アウェイの転校生よりは、はしっこであっても周囲を熟知した今の環境の方がまだ過ごしやすいと思います。
 どうしてもということであれば、ひそかに高校での外部進学を考えるとよいでしょう。この場合も少なくとも来年の秋までは表にはしないことです。志望校は内部進学できる高校より世間的な評価は数段落ちる学校になると思いますが、世間的な評価と居心地のよさは別物。どちらを取るかです。高校受験向けの勉強を始めればもしかしたら学力も向上するかもしれません。それによって合格可能な高校のレベルも内部進学できる高校のレベルに近づくでしょうし、もしかしたら自信と実力をつけることで外部受験の必要もなくなるかもしれません。
 結論、私なら現状での転校はすすめません。その代わりにひそかに外部の高校を受験するための準備を始めます。実際外を受けるかどうかは、その成果と息子さんの成長の度合い次第で決める。
 息子さんを追いつめない形で、一度のんびり雑談混じりで話しあわれるとよいでしょう。

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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