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教えて!ごとう先生

ほとんど会話をしない次女が心配

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. ほとんど会話をしない次女が心配

20160622.png 高校2年生の次女のことで相談です。3歳年の離れた活発な姉がいて、3人での食事時間はほとんど私と長女が会話をする感じです。話をふっても9割「うん」しか言いません。性格は姉よりのんびりしていて奥手、この4年間無遅刻無欠席の地味で真面目なタイプです。おしゃべりな姉が中心に会話がすすむのは仕方がないとしても、近ごろ私と次女のふたりだけで食事をするときでもほとんど自分から会話をせず、こちらからの問いには「うん」しか言いません。食事以外の場面でも、自分からこんなことがあったと話をすることは皆無。学校の話は、小学校のときからあまりする方ではなかったのですが、このところ一層ひどい状態です。以前、ふたりでの食事中に会話をすること、また、家族に学校の報告をするのは義務だと注意したこともありますし、会話が苦手でも「うん」だけじゃなく何かつけ加えてほしいと伝えています。これまで姉中心の食事時間の会話がいけなかったのか、性格的なことなのか、反抗期なのか、話しやすいようにこちらが働きかけをするべきなのか......。コミュニケーション能力が育っていないのではと心配です。

(HN:ムン太)

A.大丈夫! 見守ってあげましょう

反抗期ではない

 娘さんを拝見したわけではないので私の勘にすぎませんが、非常に期待できる娘さんであるような気がしています。ですから結論としては、ご心配は無用かと。
 私がそう感じた根拠はなんといっても「4年間無遅刻無欠席」であること。日本が真面目であることや勤勉であることがそれ自体単独では評価の対象にならなくなって久しいですが、それでも4年間無遅刻無遅刻となると、さすがに別格です。学校でも各種団体や企業でも「やめる心配のない人」への需要は相変わらず大きい。推薦試験や採用試験などでは大きなアドバンテージになるでしょう。
 また心に問題を抱えているとかコミュニケーションができないようであれば、学校という極めて特異で閉鎖的な空間に4年間もしっかり通い続けることはできないと思います。少なくとも学校に対応する能力はある。いわゆるスクールカーストの上位の目立つタイプではないのに学校に対応できるようであれば、この社会、たいていの組織や集団には対応できますよ。
 反抗期ではないと思います。もしそうなら怠惰や破壊などの行動が見られることでしょう。反抗期の子供は「うん」という意思表示もしないで無視することがデフォルトです。

コミュニケーション能力(コミュ力)を重要視しなくてもいい

 とはいえ、ムン太さんが心配されるお気持ちはよくわかります。特に昨今では何かにつけてコミュ力、コミュ力と騒がれ、実際に社会で活躍している人たちを見ても「この人から目立つこと取ったら何も残んないだろうな」という人も少なくありません。大学入試も学力より人物優先とあっては(そもそもわずか数時間で本人の言葉のみで判断できるような人間性なんてたかが知れているのですが、彼らは『リア王』すら読んだことがないのでしょう)コミュ力について危惧されるのは当然のことです。
 もちろんないよりはあった方がよいのも事実で、たとえば「今後数年以内になくなる職業」なんてよくありがちなものをみても、コミュ力への依存度が高い職業は残りそうに思えたりするのですが、それとてどうなるかわかりません。 コミュ力信仰への反動は間違いなくあるでしょうし、スマホ全盛世代が生産や消費の中心となった時代に、はたして今ほどコミュ力が必要とされるかといえばそこも不確定。何よりこれからは日本のみを市場として生活を成立させることが難しくなるわけで、そうなった時、対日本人限定のコミュ力がどこまで通用するのかというのも疑問です。
 ひるがえって、表面的なコミュ力などは問われず本質的な勤勉さと真面目さを問われる仕事は目立たぬだけでいくらでもあります。研究開発職しかり芸術屋風情でない真の芸術家しかり、数字を扱う職業しかり、一部の事務職しかり、もちろん学問の分野も。
 多弁で饒舌だけど自己表現が下手だったり、寡黙であったりする人の活躍する余地は、今の日本では確かに少なく見えます。けれど同時に確実に存在すると思います。
 大丈夫です、しっかり通えているうちは、よい方にとらえて見守ってあげましょう

回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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