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教えて!ごとう先生

すすんだ学年の国語の読解が苦痛

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

Q. すすんだ学年の国語の読解が苦痛

20160622.png 初めまして。ごとう先生の、的確かつ子どもの目線に立った暖かいご回答に毎回感激しております。ご回答いただければ、うれしく思います。
 小1の息子は小5の兄が大好きで、幼稚園に入るくらいから学校の宿題など兄がやっていることにあこがれており、自宅で簡単なたし算ひき算を私が問題を作ってやらせておりました。もっとやりたがるので、年中になったくらいから公文を始めることにしました。今、算数はちょうど5年生に入ったところで、あまり苦にならず進んでいるのですが、国語が現在4年生のなかばくらいで、漢字はまだよいのですが、読解が説明文(心臓のしくみと血液の流れ、など)になってきて、本人にとっては、内容理解が苦痛になってきております。「どうせ間違えるからやりたくない」と申します。本格的な勉強ぎらいにならないうちに、国語は思い切ってやめた方がよいでしょうか、それとも漢字学習もできますし、私が見ながらなんとか続けた方がよいでしょうか? ちなみに、中学受験をする予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

(HN:boysママ)

A.ママが補足しながら理解させて

漢字は学年関係なく学べる

 このコーナーでおほめの言葉をちょうだいすることなどめったにないものですから、私のほうこそ感激しております。喜びで目がくらまぬよう心して回答させていただきますね。
 まず読解ができないのは仕方のないことです。なぜなら漢字や計算というのは、いわゆる一問一答型の知識です。これらは適切な指導と本人の興味があれば対象学年など関係なく刷り込むことができます。漢字はそれ自体他の知識や能力とは別個に教えることも覚えることもできるものですし、計算は積み重ねが必要とはいえ一度回路を作ってしまえばオートマティックに代入していくことで対応できるものです。

読解は相応の年齢ほうが理解しやすい

 それに対して国語や外国語の読解は事情が異なります。文章に使われている言語の意味をすべて知っていてもだからといって読めるものではありません。読書などで得た間接的なものを含む自らの体験、助詞や接続詞の役割および意味するところのニュアンス、文章を頭のなかで図式化あるいは構造分析するスキル、その他さまざまな要素が備わっていてこそできるもの。これらはやはり相応の年齢を大きく超えて身につけられるものではありません。
 読解に関しては持ち帰ってその文章を理解するのに必要な背景知識をboysママさんが補足しながら指導すること。これはもちろん復習の形になってもかまいません。その際重要なのは覚えるだけ(本当はそうでもないのですが、あえてこの言い方を選びます)の漢字と違って文を読むのが難しいのは当然だということを話して聞かせてやること。場合によってはすぐに能力が伸びる漢字への執着がみられるかもしれません。その時はオブラートに包んだ言い方で、文章読解につながらない漢字の知識はクイズと検定試験でしか役に立たない(雑学に分類される)ことを伝えてあげるとよいでしょう。

小5には中学受験対応の塾に切り替えよう

 ただ中学受験されるということですので、息子さんの抵抗がなければ思い切って退会してしまう手もあります。遅くとも小5には中学受験対応の塾に切り替える必要がありますし、そうなると公文との2本立てはあまり意味をなしません。漢字の知識もおそらく中学レベルか高校レベルに到達しているご様子ですが、ご存知のように中学受験で漢字単独で得点できるのは10点から20点。しかも出題されるのは小学校履修範囲内の漢字です。
 また「心臓のしくみと血液の流れ」などが理解できないということは中学受験の理科で独学が難しいということにもつながります。今のうちに文章をイラスト化、ビジュアル化する練習をしておいたほうがいいかもしれません。その際、美術的なうまさは問いません。大切なのは上下や前後や包含関係などが正確に図式化されているかどうかです。
 それと並行して嫌いになりきってしまわぬうちに、わかりやすい理科の動画を見せてあげるとよいでしょう。理科的な知識には見てしまえばすんなりわかることも多いですから。
 漢字に関してはよくやったというところでよいのではないでしょうか。それをしっかり認めた上で、じゃあ次のステップだねと。息子さんが中学受験対応の学習にスムーズに移行できるといいですね。

 
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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