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教えて!ごとう先生

特別支援学級に入るべきか

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

018108.gif中学2年生の男の子です。あまり勉強ができる方ではありません。特別支援学級に入ることを考えるほどです。ただ、そのクラスに入ると進学では普通高校は断られてしまうので、特別支援学校へ行くしか道がないと聞きました。このままで普通高校を受験するか、特別支援学級に入るかで悩んでいます。アドバイスをよろしくお願いいたします。

(HN:たお)


決める基準は「困難なのが勉強だけなのかそうではないのか」


●学力不足だけなら現状のままで

 現状では、特別支援学級などへの編入に対してアレルギー反応を持つ親御さんが大半です。そんな中、息子さんのことを第一に考え、冷静に決めようとされている姿勢に、まずは敬意を表したいと思います。
 さて、その上でどうするかですが、息子さんの能力次第だといえます。結論から申しあげると、クラスでついていくのに苦労しているのが勉強だけならば、今のままでいいような気がします。どのみちクラスには、よくできる子とまあまあできる子と普通の子とあまりできない子とどうにもこうにもという子がいます。これは、ある意味当たり前のこと。なぜなら、ほとんどの公立中学では、入学に際して学力試験がありません。ですから、自然に上から下までの分布になる。さらに言えば、クラスというのはたいてい学力的に偏りがないように編成されます。結果、どのクラスにも、できる子とできない子がいるわけです。そんなわけですから、「あまり勉強ができる方ではありません」というレベルの子は、どのクラスにも存在します。そういう子たちが特別支援学級に入ると、本来そのクラスを必要とする子らに対するフォローが手薄になってしまいます。本人のためにもその子らのためにも、現状維持が望ましいでしょう。
●学力以外の難点があるなら特別支援学級に

 ただし、学力以外の部分でも難点があるのなら話は別です。授業中座っていられないとか、徘徊してしまうなど、学力不足とは別の問題があるようなら、特別支援学級を考える必要もあるでしょう。そのあたりをご本人や担任、さらには科目担当の先生方の意見をききつつ決めるのが無難だと思います。また、専門の医師の診断も受けた方がいいでしょう。

●今なら入学できる大学も
 進学については、普通高校という言葉が何を意味しているかによりますが、いわゆる普通科の高校ということでしたら、どっちにしてもクラスの下位では厳しいと思います。地域によっては、とんでもない内申点でも進学できる普通科は存在しますが、そういう学校では、職業科に進学できない子が集まっているケースが少なくありません。普通科といいつつ大学進学が皆無に近いとか。もっとも、今は少子化と不景気の関係で、選ばなければ名前さえ書いて納めるものを納めれば入学できる大学がかなりありますから、そのようないわゆる底辺の普通科高校からも大学進学は可能です。そんな高校に限って、たまたまローテーションで赴任してきた熱心で力のある先生もいますから、行動を伴った本気であることが認められれば、親身な助言や指導が受けられるかもしれません
●特別支援学校には就職支援のノウハウやツテがある
 普通高校というのが特別支援学校以外の高校という意味ならば、やはり息子さんに学力の遅れ以外の難点があるかどうかが決め手だと思います。高校は義務教育ではないと言いつつ、大半の高校の先生は通学が続くよう声をかけたり、できる範囲で支援してくれたりはしますが、それも限度があります。さらに、高校から先の進学や就職ということに関しては、基本的には個人の力量が問われ、先生方の介入できる部分は非常に少なくなります。しかし、特別支援学校の場合、そこに関してはアドバンテージがあり、自立が困難な子に対する支援についてのノウハウやツテも多く持っています。ただし、部活動は限られますし、人数も少ないので友達を大勢作るわけにはいきません。そもそも、軽度の障がいが認められなければ入学を許可されないと思います。  ということで、決める基準は「困難なのが勉強だけなのかそうではないのか」です。いわゆる勉強だけなら、授業はしんどいと思いますが、現状を維持すべきです。勉強以外にハンディキャップが存在して、それが医学的なものであるなら、編入を考えてもよいでしょう。その際には、医師の診断を欠かさないことです。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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