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教えて!ごとう先生

話し下手な息子、どうしたら?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa080917.gif中1の息子ですが、自分の言いたいことを相手に伝えるのが下手です。
肝心の主語を言わずに、おしゃべりを始めることもあり、聞いている相手は「?」状態、というケースが多いです。このままでは、この先、困ることも出てくるのではないか、と心配です。おしゃべりが上手になるポイントなどありましたら、ぜひおしえてください!

(HN:しーちゃん)


子どもとの会話にツッコミを!

●コミュニケーションで最悪なのは「無視」
 「おしゃべり」はある程度天性のセンスに依存する部分があるので、私ではなんとも申し上げられないのですが、しーちゃんさんのご希望は「おしゃべり」というより、むしろ情報伝達、コミュニケーション能力に関することがメインであるような気がします。それでしたら私の得意分野でもありますので、お話させていただきましょう。 まず、まっ先に申し上げたいのは、極端なご心配は不要だということです。コミュニケーションで最悪なのは(そして面接などで一番印象が悪いのは)、「無視」です。あるいは沈黙の対応です。いただいた文面から察する限り、息子さんにはそれはないようですから、その点では安心していただいてよいと思います。


●仲間以外の人は苦手

 また現在の子どもたちは身内(この場合の身内というのは血縁関係のことではなく、仲間内の意味です)でのコミュニケーションは巧みである代わりに、仲間の枠外の人間とのコミュニケーションに関しては、著しく不得手であるという様子が見受けられます。これは全国的な傾向なんですね。

●整備しすぎた環境
 と申しますのも、時代がカスタマイズに対応していて、自分の要求あるいは自己主張をしなくても、通ってしまうような環境が整備されているからです。私がいた塾の業界でもそうです。以前は塾といえども、消費者然としてふんぞり返っていることはできなかったものですが、今は、家庭教師や個別指導が主流で、場合によっては講師のチェンジさえ自由なサービスまで存在し、相手を自分に合わせることが可能な場面が多くなっています。 もちろんそれは親の財力が背景にあるのですが、子どもにはそれは見えません。本来の消費者は親であるのですが、サービスの享受者は子どもであるため、誤解が生じます。
●コミュニケーションの必要がない環境
 携帯やネットの影響も大きいですね。取り次ぐ相手を介してのコミュニケーションを必要としませんから、敬語も礼儀にかなった自己紹介もなしで、いきなりコミュニケーションに入ることが可能です。よくいえばノリがいい。悪くいえばナアナアな環境が、子どもたちの周りに蔓延しつつあります。かつては御菓子を買うには、駄菓子屋でじいさま・ばあさまとやりとりをする必要がありました。しかし現在、駄菓子屋の代わりを果たしているコンビニでは、口をきく必要さえありません。そんなわけでコミュニケーションが自分本位なのは、現在の子どもたち全般に増えつつある問題なのです。
●必要な伝達事項を伝えてくるまでは...
 さて、そこでこれをどのように解消していくかですが、ほっておいても成長にしたがって行動範囲が広くなり、自分が属する組織以外の人と、コミュニケーションを交わす必要が出てきます。そこである程度鍛えられるので、そのときを待つのもひとつの方法です。けれど、あえてご家庭でステップアップを図りたいのであれば、まずはしーちゃんさんご自身が、息子さんの会話にツッコミを入れるようにされるとよいでしょう。「着替え」といわれたら、「着替えがどうしたの?」と。「お茶」といわれたら、「お茶が何? お茶がなんなの?」と。ただこれをやると、子どもはうっとおしいと思いますし、最初はある程度親子の間がギクシャクしてきます。一時的にうっとおしがられても、しっかりしたコミュニケーション能力を育成してやりたいとお考えならば、こうして必要な伝達事項を伝えてくるまでは、動かない姿勢を示されとよいでしょう。もちろん息子さんはその際、なぜしーちゃんさんが動かないのかがわかりませんから、どこがどうわからないから動けない、というツッコミを入れてあげるのは大切です。
●国語の読解について学ぶ
 余談ですが、国語の読解問題が苦手な子も、まったく同じ傾向があります。主観的に成立するコミュニケーションしか経験していないんですね。見ず知らずの相手とのコミュニケーション(それが客観的な読解です)に対応できない。ですから、国語の読解について学んでいただくのもひとつの手法でしょう。とはいえ、あまりやりすぎるとせっかくいろいろ話してくれるのが、面倒になって、何も話さなくなってしまうこともありますので、最初はほどほどがよいでしょうね。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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