なんでかな。
今になって思い出した、貴方のいいところばかり。
いつも、ワガママ言っても許してくれてたから、甘えてた。
喧嘩して、何度めかのサヨナラ言っても、
何時も何時も、貴方からごめんとメールくれてた。
けど、もう、待っていても来ない。
ごはん食べてても、お風呂入ってても、本を読んでいても、いつも思いだしてる。
全てが、貴方に繋がってたことに、気づいて笑えたよ。
ごめんね。
俺から離れるなよって言ったあの日に戻れるのなら、もう。ワガママいわないから。
最後のワガママ。 大好きだから、私から離れないで。
毎年色んなラヴレターが送られてくる「届かなかったラヴレター」ですが、久しぶりに、かなわなかった恋への後悔の手紙を最優秀賞に選びました。
「人の心は、試してはいけないよ」まだ若い時に、誰かから教えてもらったのに、結局、相手を信じられなくて、傍若無人に相手を傷つけて、ずいぶんひどい事をしていたなぁって思います。若い、というのは、刃物のような鋭さで、人との関係を、ある時バサリと断ち切ってしまうのですね。
大切なものは、いつも失ってから気づくもの。それを知って、自分の愚かさや、二度と手にすることの出来ない幸せを知る。全て、自分の責任です。奇跡なんて、そうそう起こらないから、悲しい現実も、一人で背負って生きていく。
今回の最優秀賞は、作品を読んだ後に、コツンと心の中に苦い余韻を残しました。最終選考に残ったいくつかの作品の中でも、やっぱり戻ってきてしまうほろ苦さのある作品でした。幸せの形がわからなかったから、手から離してしまった「いつも」がどれだけ自分にとって、大きな意味を持っていたのか。そんな事を考えさせられた作品でした。
また、こんな独特の余韻のある作品に出逢えることを願って。最優秀賞、おめでとうございます。
今年もたくさんの方々の応募をいただいた「届かなかったラヴレター」。
最近は、手紙だけでなく、LINEやツイッターなど、絵文字や短文でも自分の想いを伝える手段が、ひと昔前に比べて格段に多くなりました。
慌ただしい日々の中、本当に大事な人に大切なことを「自分の言葉」で伝えられ ているのかな......と、
ふと振り返る時間がこの「届かなかったラヴレター」だったりします。
毎年、なるべくハッピーなラヴレターを、たくさん入賞させたいな、と思っているのですが今年は、コツンと苦味の残る味わいの作品が、最優秀賞となりました。
恋愛の楽しさと、馴れ合いのもろさと、若さゆえの愚かさと、そんな誰にでもあるシーンを、思い出させてくれる作品でした。
その他の入賞作品や、最終選考まで残った作品は甲乙つけがたく、どれも一人一人の「心の声」がたくさん詰まっていました。
来年、またどんな方のどんな想いに出会えるのか、今から楽しみにしています。
最後になりましたが、ご応募いただいた皆様方と、審査に御協力くださった関係者の皆様方に心からの感謝を込めて、総評とさせていただきます。
株式会社キャリア・マム 堤香苗