• ようこそ ゲストさん
  1. HOME
  2. ライフスタイル
  3. 教えて!ごとう先生

教えて!ごとう先生

実力より上で入った中学でおちこぼれてしまった

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

025486.gif中1の息子は、運がよかったのか、中学受験でチャレンジ校に合格できました。入学まで親子で喜んだのもつかの間、一学期、二学期の定期テストは、ほぼ最下位という結果。とくに英語が苦手で、進度も早く、何から手をつけてよいかわからない状態です。先生も心配して面倒をみてくれていますが、肝心の本人はすでに投げやりで、効果が出ません。
中学入試は親がかりだったせいか、どうやって勉強すればよいかわからない様子です。次のテストが近づくにつれ、学校が嫌だと口にするようにもなり、心配しています。
このままだと高校に上がれなくなるかもしれない、でも息子いわく地元の中学には帰りたくない、それでいて勉強もしたくないと八方ふさがりです。どうしたらよいでしょうか。

(HN:なめこ)


親子タッグで勉強に力を入れてみては


●入学時の序列は、さほど変わらない

 これは当然の結果で、何もおかしくないですよね。国立私立はもちろん、公立でもそうですが、入学時の序列は、レベルが上の学校ほど変わらないものです。なぜなら、まだ目覚めていない子もいるレベルの低い学校と異なり、レベルが上の学校にはすでに目覚めていなければ入学できません。息子さんの例もそれに当たるかもしれませんが、中には伸びしろを使いきった状態で届いてしまう子もいます。すでに一杯一杯の状態で勝負しているわけですから、それ以上のものを求められても成長を待つしかない。でも、自分の子が成長するのと同じように、他の子たちもまた成長する。同じならまだ良いのですが、下手をすると自分の子を上回るペースで。となれば、追いつけないのもいたし方のないことです。また、レベルの低い学校では進度も遅く、理解力に乏しい子が多いゆえに面倒見が良いこともあるので、まじめに取り組めば、熱心でない子はいくらでも追い越すことができますが、レベルの高い学校では、そもそもそういう子がいない前提であり、現実にも少ないわけですから、そのようなフォローも順位の変動も期待できません。進度が早く授業レベルが高ければ高いほど、逆転のチャンスは少なくなるのです。

 というわけで、そもそも実力や適性よりも希望を優先して選択をしてしまった段階で、こうなることは当然だった。チャレンジ校に合格したことが運の良かったことだとしたら、その幸運をもう一度というのは、やっぱり虫が良すぎると言われても仕方のないことでしょう。

●打開するための学習法はふたつある
 とはいえ、せっかく相談いただいたわけですから、運にゆだねるのではなく、適切な労力と努力で何とかする方法を考えたい。現実的な方法はふたつ。ひとつは、積み重ねの要素が比較的少ない国語と理社で点数をかせぎ、当面は合計点のつじつまだけは合わせておく。そして、夏休みなどのまとまった時間に、集中的な個別指導で積み重ね分の取り戻しをやる。もうひとつは、英数の借金をこれ以上増やさないために、あえていつでも追いつける国語と理社をいったんは授業以外の部分は捨てて、その時間を英数にフルに回す。この場合も、これまでの分の取り戻しは個別指導がよいでしょう。おすすめは前者です。意図をしっかり先生に伝えておけば、理解してもらえる可能性も高いですし、場合によっては、英数の宿題の不出来に関して目をつぶってもらえるかもしれません(もちろん、良い成績がつくことはありませんが)。後者だと、どっちつかずの状態になりやすく、なんとかついていける国語や理社すらも苦手科目にしてしまう可能性が高い。やはり、しっかり先生と相談された上で、前者の方法を取るのが、この状況で何とか出来る打開策でしょう。
●勉強量が多くなるのは必須
 この打開策でも、相当量の学習の必要はでてきます。「このままだと高校に上がれなくなるかもしれない、でも息子いわく地元の中学には帰りたくない、それでいて勉強もしたくないと八方ふさがりです。どうしたらよいでしょうか。」ということですから、これすら嫌がられるかもしれませんが、嫌ならあきらめるしかない。「仕事はしないけれどおカネだけください」「下手なのに練習もしませんが試合には出してください。」こんな要望がかなうのは、ゲームかマンガかドラマの世界だけです。
●親子でがんばってみよう!
 ヒントのひとつはここ。「中学入試は親がかりだったせいか、どうやって勉強すればよいかわからない様子です。」裏を返せば、中学入試は親子の協力でチャレンジ校に合格できるほどの成果を導けたということでもあります。つまり、親子タッグなら実力以上の結果を出せるような勉強もできたということです。ならば、それを再びやればいいじゃないですか。中学に入学したから親は口出ししてはいけないなんて決まりはありません。できない子は、親が手を添えたってできない。親が手を添えればできる子は、今の段階ではひとりではできない子かもしれませんが、より時間を積み重ねれば、親の手法を自らの手法として身に着けるようになります。それまでの時間がクラスメイトよりちょっとかかっちゃってるだけのことです。「でも、学校でやっている内容が難しすぎて、もう親では教えられない」なんて声もよく聞きますが、公立の勉強ならいざしらず、中学受験レベルの勉強を教えてやれる知識と学力をお持ちの親御さんなら、いくらレベルの高い学校の授業でも、中2くらいまでの履修内容ならついていけるはずです。もちろん、ご自分も学んでいただければそれ以上も。  せっかくいい思いができたのですから、その分、つらいことも我慢してみましょう。親子の強力タッグでも、1年間かけてがんばってもダメだったのなら、そのときは息子さんだってあきらめもつくはずです。だいたい、その頃には高校受験しても、そこそこの学校に受かる学力がついているはず。まずはやることです。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

«前のページへ教えて!ごとう先生TOPへ次のページへ»

ページの先頭へ

この記事が気に入ったら「応援する」ボタンをクリック

応援する