届かなかったラヴレター
大野成
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
「私の中で生きている」
「主婦」も「ママ」も辞めて、
「自分」になりたい。
そうやって悩んでいた日々があった。
ひとりで決断するには重すぎて、
誰かに話を聞いてもらいたかった。
けれど、問題があまりにも深刻すぎて、
友人や親には話せなかった。
そんなとき、貴方と出会えた。
貴方も当時、人生について悩んでいた。
誰にも話せない事柄を、
私たちは真剣に語り合った。
そこには「恋」も「愛」もなかった。
人間として、必死に互いを求め合っていた。
何度も対話を繰り返し、
私は「現状維持」を、
貴方は「転身」を決意した。
互いに結論を出したとき、
私たちの関係は変化した。
「友情」が「愛情」に
変わったわけでは、なかった。
互いを、必要としなくなったのだ。
少し寂しいけれど、
それは残念なことでは、決してない。
限られた時間の中で、
貴方の勇気や優しさを、たくさん貰ったから。
もう会うことはないけれど、
貴方自身が、私の中で生きている。
いつまでも、ずっと。
「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。
