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届かなかったラヴレター

ふじもん

切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。


 平成10年1月14日、
次男の国男が24歳の若さで旅立った。
 あれから12年。
毎年欠かさず、
命日に国男の墓に
お参りしてくださる友人がいる。
 中学・高校を通じ、
野球部でいつも一緒だった
林さんという方だ。
林さんが投手で国男は捕手の女房役。
ふたりは、バッテリー・コンビであった。

 「もういいですよ、お参りは」
と私が言うと、林さんは
「いや、お父さん1月14日になると
足がこちらに向かっているのですよ」と笑う。
 林さんは1年ごとに
凛々(りり)しくなっていった。
結婚し、3人の子どもにも恵まれた。
逞しい姿に、国男の面影が重なり、
ぐっと胸に迫る。
顔で笑って、心で泣きながら会話をするのは
わずか10分ほどの間だ。
 今年も訪ねてくれた林さんに
色々と国男のことを聞きたかったが、
込み上げる涙が喉につかえて
何も言えないまま、
林さんの車を見送った。
 車が見えなくなると12年もの間、
命日に欠かさず来てくださる林さんと国男の
男の友情に感動し、涙が止まらなかった。
 林さん、長い間ありがとうごさいました。
国男も天国で喜んでいることでしょう。
本当にありがとう。

「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。

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