届かなかったラヴレター
マッツン
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
「好きです」
冬降る夜の帰り道、
きみの家の前で僕は言いました。
それを別れの言葉とし、
僕は自分の家に帰りました。
まさかそれが、本当の別れとなってしまうとは、
中２の幼い僕にはわかりませんでした。
告白してからおよそ１ヶ月、
きみからいい返事はもらえませんでした。
なぜだろう、悲しいはずなのに、
つらいはずなのに、涙は出ませんでした。
１年後の中学校卒業間際、
今度はきみから僕に手紙で告白してくれたね。
嬉しかったよ。
胸がキュッと締めつけられるほど嬉しかった。
でも、僕はオーケー出来なかった。
第一志望の高校に落ちて不安で、
きみと会うことも、
大切にすることも出来ないと思ったから。
高校３年生の今でも、
きみからの手紙を読むと胸が締めつけられる。
実はね、僕も手紙を１通書いてあるんだ。
ただ一言、あの夜の言葉を書いた手紙が
今も引き出しの中に。
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