届かなかったラヴレター
匿名
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
お元気ですか?
四十九日法要が終わりました。
まだ大きなお父さんの写真は飾られています。
11月25日入院の知らせ。
そして1ヶ月後、貴方は逝ってしまいました。
おとうさん、病室では、
いっぱい、いっぱい話をしましたね。
最後は、私を「奥さん」と呼び、
娘だとは分からなかったみたいだけど、
私はとても楽しかった。
貴方の少年のようなしぐさ、あどけない表情、
看護婦さんにして貰った
ひげそりや足のマッサージに
「必要以上のサービスはいらんですよ。」
と言いながらも、とても嬉しそうな顔。
今でも忘れられません。
そうそう、お母さんに80才のラブレターを
贈ったんだって?
まだ清書をしていない
下書きのままの葉書だったとか、
お父さんらしいね。
でも、お母さんは凄く嬉しかったらしいよ。
最後に交わした
「退院したら珈琲飲みに行こう」
の約束はもう実現する事はないけれど、
お父さんの笑っている写真の前には、
ちょっと薄めの珈琲を供えています。
今日のコーヒーの味はどうですか?
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