教えて!ごとう先生
作文を上達させたい
子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!
後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧
~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。
Q. 作文を上達させたい
中学2年生の、高校受験のことをそろそろ考え始めている息子の作文をどうにかしたいです。文章が少し長くなると、初めの主語とつながりのない終わりになることが多々あります。入試問題には必ず作文があり、重要だといわれましたが、息子がひとりで作文をまともに書けるようになる方法がわかりません。ぜひ教えてください。よろしくお願いします。
(HN:バスケ部の母)
A.1文を短くしたトレーニングから始めましょう
主語と述語を意識して
「文章が少し長くなると、初めの主語とつながりのない終わりになることが多々あります。」としっかり分析できているのですから、その克服から取りかかられたらよいのではないでしょうか。具体的には長い文章を書かないようにする。1文は2行まで。その上で主語と述語の一致のトレーニングを行う。
基本のパターンは次の3つしかありません。
誰(何)が どうする(どうした)
どんなだ(どんなだった)
誰だ 何だ(誰だった 何だった)
これをふまえて先に主述を決定し、場合によっては欄外に薄く鉛筆書きしておいて、文を作成するようにするとよいでしょう。地道で面倒な作業ですが、作文というのは一問一答式に対応したものではありませんから、センスを補う、あるいは身につけるにはある程度の量が必要とされるのは仕方ありません。
厄介な代わりにここで身につけた能力は一生モノです。日本が無節操な移民政策を推し進め、日本語が「Japanese? That's a language of indigenous people.」などと言われてしまうような状況にならないかぎり、極めて有効なスキルであり続けます。いや、もし上記のような状況になったとしても、息子さんはすでにものを考えるのに日本語を使うアタマを完成させていますから、英語を始めとする他の言語での文章作成にも、日本語の文章作成スキルをベースにするわけで、やはり一生モノに違いないですね。
主張と根拠を組み合わせて2文以上を作ろう
1文は短く、主語と述語を意識して(場合によっては先に決めておいて)文章作成のトレーニングをする。それができるようになったら(結構かかりますよ)、次は高校入試の作文につきものの主張と根拠の組み合わせで2文以上を作る。
ぼくが好きな映画はバック・トゥ・ザ・フューチャーです。
なぜなら伏線とその回収が見事だからです。
みたいな具合に。
このとき
ぼくが好きな映画はバック・トゥ・ザ・フューチャーです。
を
ぼくはバック・トゥ・ザ・フューチャーが好きです。
に置き換えれば主述の間違いを減らすこともできます。
文として多少稚拙感は出ますが、高校入試の作文に美しさは求められません。高校入試の作文の採点は主に減点法で行われ、条件に従っているかで基準点を与えられたあとは、誤字脱字、主述の不一致の数に応じて減点が行われます。作家になるわけではないのですから、シンプルな表現を用いるよう心がけるとよいでしょう。
時間がかかるトレーニングですから、なるべく早めに始めることをおすすめします。今から始めれば3年の夏前にはかっこよくなくとも間違いのない文を作れるようになっていることでしょう。
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士