届かなかったラヴレター
2016年クミコ賞~印南 房吉 さん
切ない気持ちや感謝の気持ち、大好きだったあの人への想い・・・毎年、大切な人への思いを綴ったラヴレターを募集している「届かなかったラヴレター」。これまでご応募いただいた「届かなかったラヴレター」をご紹介します。
「義足って...自分の脚よ...」
事故で左脚を失った。初めての義足、中々合わない、一歩毎に脳天を突く疼痛、
「どうすりゃいいんだ」・・・
「これが一生続くのかよー」義足を抱いてショボクレテいたら看護師マッちゃんの声
「義足って...自分の脚よ...自分で育てるのよ」と一声、キリリと白衣。
踏ん張ったねえ、当たり前だ、血に染まった断端を拭き乍ら
「オレの脚だ、オレの脚だ!」と心に叫んだ。
それから六拾年、歩いて生きてこられた。朝、起き抜けに義足を穿く。スイっとはける時はマッちゃんが微笑む。
グチュッと痛い時は一声、そうだ頑張ろう!
僕はマッちゃんが好きです。
「届かなかったラヴレター」次回の募集についてはキャリア・マムサイトやメルマガでお知らせします。 過去の受賞作品はこちらでご覧いただけます。