教えて!ごとう先生
中学受験対策の模試の違いって?
子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!
後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧
~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。
中学受験をしようとがんばっている娘がいます。中学受験の模試には、首都圏模試と四谷大塚の「合不合判定テスト」と2つあるようですが、その違いは何でしょうか? 両方受けていくものなのでしょうか? 教えてください。
(HN:berry)
自分に合った模試を選択しよう!
●やさしい「首都圏模試」、難易度の高い「合不合」と「センター」
まず模試の違いについて説明します。代表的な首都圏での中学受験対応模試を二つ挙げられましたが、実際にはもうひとつ、日能研の「センター模試」を加えて、三大模試と呼ばれているものがメジャーです。 それぞれの違いですが、まず大まかに「首都圏模試」は、やさしい問題が多い。ですから中位以下の中学を受験する子でも解ける問題が存在しますし、上位でも難問が少ない学校(思考力や発想、知識の深さではなく知識の広さを求める学校)を受験するのでしたらおすすめです。またそうした模試なので、当然模試を受験する子も比較的上位の中学を受験しない子(もしくは上位を志望しているけれど、実情を把握していないのんびり屋さん)が多く、上位校受験の際にはそのデータはあまり過信しない方がよいでしょう。(そもそも上位校志望者の模試受験が少ないため) その一方で四谷大塚の「合不合」や日能研の「センター」はそれぞれの教室、塾に通っている生徒が母体となるために、受験層も本格的になります。さらに問題も上位校を受験する場合に参考となるよう、難易度の高い問題の割合が多くなっています。上位校を受験する場合は、こちらがおすすめです。ただし一問一答レベルの問題はあまり期待できません。さほど熱心に取り組んでいなかった場合や、単に地元の小学校やクラスで成績がいいという子がいきなりこの模試を受験すると、極端に自信を失ってしまうかもしれません。●ケースに応じて模試の選択を!
単純に考えると、一番敷居が低いのは首都圏模試です。ただし先ほどお話したように、この模試の合格判定は上位校ではあまりあてにできませんから、よい数字が出ても過信しないことです。この模試でよい数字が出なかったときや、受験する学校が中位以下ときは、そのまま首都圏模試を受験。よい数字が出たときや、上位の学校を志望しているときは、ほかの二つの模試のいずれか、あるいは両方を受験するとよいでしょう。その際できる限り塾会場ではなく、学校会場を選択するとより臨場感を体験できると思います。現在の志望校が上位で、中位以下なら公立でもかまわないようであれば、最初から「合不合」や「センター」を受験するのもひとつの方法です。現在の自分の位置は知っておかねばなりません。その結果が悪くないようなら、今の塾を信用して突き進むことができます。悪かった場合は、このままのペースで学習しても合格は難しいでしょうから、(自分が伸びる分だけ、あるいはそれ以上にほかの子も伸びるのが上位受験層です)方針を転換せねばなりません。それは早い方がいいです。ただし最悪の場合は自信を失って、もう中学受験自体をしたくない、となってしまう可能性もありますから、中位以下が志望校の場合は、ムリは避けたほうがいいですね。(中位以下ならば、自分が伸びるペースが相手を上回るケースも少なくありません) まずはberryさんが情報を集められ、そして考察された後で、娘さんと相談のうえ、決められるとよいでしょう。よい決断ができますことを願っています。回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士