デジタルまめ知識
フィルターバブルってなに?
「フィルターバブル」という言葉をご存知でしょうか。私の世代ですと、つい「バブル景気」を思い出してしまい、シャボン玉のように「とても儚(はかな)い」というイメージもついて回ります。 しかしこちらの「バブル」は、ちょっと意味合いが違うようです。
■私たちは「見えない泡の中」にいる!?フィルターバブルについて、総務省のWebサイトでは
アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境を指す。
という説明がされています。ちょっと難しいですね。
もう少し簡単に表現すると、私たちはインターネットを使うたびに検索したり、あちこちのWebサイトを見に行ったりしますが、その行動履歴はアルゴリズムによって学習されています。そして、その人が知りたい(と予測する)答えを早く導き出すため、実は検索エンジン側である程度情報を絞り込んでいるわけです。ここが「個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず」という意味につながるわけです。
つまり「検索結果」として目にするものは、別の人が同じことを調べていてもそれぞれ違うものが表示される可能性がありますし、無限のイメージがあるネットサーフィンも、実際には学習された範囲の中、まさにバブルの中を意識せずともぐるぐると見ているということになります。 ■フィルターバブルを意識してみませんか
知りたい答えが早く見つかる可能性が上がるのは便利な一方、広く意見を募っているようなものに対しては、自分の思考に近い人の発言が表示されやすいというデメリットもあります。
フィルターバブルを「オフ」にしたいときは、ブラウザの機能の「シークレットモード」もしくは「プライベートモード」を利用しましょう。学習機能に左右されないので、自分自身が作ったバブルの外の情報が得られるかもしれません。
大切なのは、フィルターバブルの存在を意識することです。用途に応じてブラウザのモードを変えてみたり、書籍や紙の新聞などのアナログな情報も合わせて調べたりしながら、上手に活用していきましょう。
*参考文献:総務省Webサイト
第1部 第4節(1)
インターネット上での情報流通の特徴と言われているもの
【著者】
あきまつ
編集・ライター。一児の母。WEB制作周りに興味を持ったのは約20年前。日々進化する新しい技術とドタバタ子育てに悪戦苦闘しながら、おはようからおやすみまで暮らしを見つめています。