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教えて!ごとう先生

教科書は、いつまで保管する?

子どもの勉強で頭を抱えているママたちへ。長年子どもたちを指導しているごとう先生が、すっきり解決してくれます!

後藤 武士 先生:1967年(昭和42年)岐阜県生まれ。青山学院大学法学部卒。日本全国授業ライブ「GTP」主宰として、北海道より沖縄・石垣島まで、児童、生徒、父母、講師、教師、会社員を対象に講演。また新進気鋭の若手教育評論家、最強教育指南役としても活躍中。 ⇒オフィシャルサイト ⇒後藤武士先生 著書一覧

~後藤先生メッセージ~
実現可能で、子どもの性格・適正にあった経験的な裏付けをもった学習法を指導したいと思っています。ときには厳しいことも申し上げますが、すでにご定評いただいている救いのあるアドバイスを心がけます。夢を妄想としてしまうのではなく、 数年後の姿とできるよう、一緒にがんばりましょう。

qa101013.gif小学4年と6年の2人の子どもがいます。知人から「教科書だけはとっておいたほうがいいよ」とアドバイスをされ、教科書、そしてノートもとってあります。 数回、見直したり、下の子が上の子のものを見たりしました。正直、いらないのではないかと思いながら、捨てられずにいます。 これらは、どのくらい保管しておくものなのか、アドバイスをお願いいたします。

(HN:kurumi)

とっておく必要はありませんが......

●教科書だけでの自主学習はむずかしい
 kurumiさん、こんにちは。結論から言えば、教科書をとっておく必要はありません。中学受験する場合は教科書レベルでは足りないし、中学へ進学するにあたって小学校の総復習をするにしても、教科書は使いづらいと思います。そもそも、教科書というのは独学にはあまり向いていないんですよ。教師が、教師用指導書を使って授業をしやすいように編集してあるのが教科書。学習参考書との決定的な違いは、単独では使いにくいということ。国語だったら題材が並んでいるだけだし、算数では肝心の答えがあまり載っていないので、復習のしようがないんですね。ですから、仮に小学校の復習をするとしても、市販の学習参考書や問題集を使う方がずっと効率的です。まあ、そもそも小6の春休みは、みんな英語の予習に忙しくて、ろくすっぽ復習なんぞしないんですけどね。
●思い出がいっぱいの本
 というわけで、教科書をとっておくということの現世利益的な有利さは特にありません。ですから、ここから先は純粋な私感です。教科書というのは、学年が変われば変わってしまうもの。同じ学年の同じ教科でも、複数の出版社のものがあるから全国共通でもないし、特定の書店へ行かないと手に入らない。だから、なかなか貴重なものなのです。また、思い出もいっぱいつまっています。好きな教科はもちろん、嫌いな教科だって、落書きがあったり、パラパラマンガが描いてあったり。考えてみれば、ほぼ毎日お付き合いしたものですから。
●事情が許すなら、とっておいては?
 また、国語の教科書の題材なんかは、大人になってから読むと、まるで違う感想を抱くかもしれません。あのころ退屈だった『故郷』は、夢を叶えられないままアラサーやアラフォーになったころには、きっとしみることでしょう。どうってことなかった戦争ものも、子を持つ親になってから読むと、涙がとまらない作品になっているかもしれません。再度くり返します。教科書をとっておくメリットはありません。必要もありません。でも、もし保管できる環境があるのなら、とっておいてあげれば、きっと子どもさんに喜ばれるときが来ると思います。写真もビデオもデジタル化が進んでいる今日、教科書は貴重なアナログのメモリー。それを感じられる人は、とっておいて損はないでしょう。そうでなければ、廃品回収に出してもかまいませんし、下級生の親御さんにあげれば喜ばれるかもしれませんね。
●母の気持ちに感謝
 ちなみにぼくの母親は、全部とっておいてくれました。何度か引越しをするうちになくなってしまいましたが、とっておこうとしてくれた母親の気持ちは、今でもありがたく思っています
回答は質問いただいた文面から推測できる範囲でアドバイスさせていただいたものです。 したがって私のアドバイスが最善とは限りません。実践に関しては使える部分をアレンジして各自の責任でお願いします。 ・・・後藤 武士

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