デジタルまめ知識
統一QRコード規格「JPQR」がスタート
「JPQR(読み方:ジェイ・ピ―・キュー・アール)」とは、キャッシュレス推進協議会が策定した決済用QRコード・バーコードの統一規格のことです。これは総務省と経済産業省が普及事業を行うサービスで、店舗からの申し込みも2020年6月22日より開始されました。共通のQRコードを利用することで、複数の決済サービスを1つのQRコードで使えるようになります。
■決済事業者によって異なっていたQRコード
最近はキャッシュレス決済事業者の選択肢も増え、使えるお店もだいぶ多くなってきました。複数のサービスを使いこなしている方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、お店の人に「〇〇ペイでお願いします」と自分の使う事業者を申し出て、専用のQRコードを読み込む、といった作業が発生することがありますね。今まではその事業者専用のQRコードが必要でしたが、その規格を統一し、使いやすくしたのが「JPQR」なのです。
■参入する事業者も増えていく予定
実は昨年度から一部の地方で実証実験を重ねていた「JPQR」。参加する決済サービスも全国展開のタイミングに合わせ、数十社に増える予定だそうです。日ごろお使いのサービスがいつ頃対応するのかチェックしておくとよいでしょう。これからはひとつのQRコードで複数のサービスに対応できることになるので、利用者側もさらに便利に感じ、利用促進につながるのではないかと期待されています。
■導入する店舗側にデメリットがあることも
キャッシュレス決済を導入するお店は、基本的にはその事業者ごとに決済手数料を払う必要があります。種類を増やせば増やすほど売り上げも分散し、決済手数料もかかってしまう可能性もあります。「JPQR」を導入したところでそれらが一本化するわけでもないので、お店にとってはメリットに思えない場合も考えられます。また、「ユーザースキャン方式(=利用者がお店側のQRコードをスキャンする)」のみの対応となっているため、すでに「ストアスキャン方式(=お店側が利用者のQRコードをスキャンする)」を導入している店舗は変更しづらいという点も挙げられます。
■スマートなキャッシュレス決済社会を目指して
とはいえ、国のキャッシュレス決済普及事業でうまれた規格ですので、決済手数料などの店舗側の使い勝手などが見直されていけば、さらにあちこちのお店にて「JPQR」が使える可能性は大いにあります。どんどん便利になっていくのは利用者として大歓迎ですよね! 今後のサービス拡充に期待したいものです。
【著者】
あきまつ
編集・ライター。一児の母。WEB制作周りに興味を持ったのは約20年前。日々進化する新しい技術とドタバタ子育てに悪戦苦闘しながら、おはようからおやすみまで暮らしを見つめています。