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デジタルまめ知識

キャンセル・カルチャーを知ろう

今回は「キャンセル・カルチャー(cansel culture)」という言葉を取り上げたいと思います。少し難しい内容なのですが「もしかしたらこれがキャンセル・カルチャーなのかも?」と思える実際のできごとが多いことに気づく方もいるかもしれません。

キャンセル・カルチャーとは

011701.jpg特定の個人・企業が発した行動や言動が集中的に批判されていくうちに、社会的な地位や支持を失う(=cansel)現象を指します。有名人や人気企業のサービスや製品など、徐々に高まる不信感や抗議の声によって、社会的評価や業務に直接的かつ多大な影響を及ぼします。
インターネットが普及していなかった時代の情報の伝達は、新聞や雑誌、テレビやラジオなどのマスメディアによる伝達やアナログな口コミが主でした。そのころは情報の伝播スピードや範囲が非常に限られていたため、今よりもそれほど注目される現象ではありませんでした。

SNS時代にフィットしてしまった

インターネットが普及したことで情報の発信・到達・拡散が格段に速くなり、同時にSNSの存在により匿名を含む個人の意見や発言も同様の広がりを見せることで、私たちの置かれている環境もがらりと変わりました。
例えば、ある企業の不適切な広告がSNSで拡散されると、多くのユーザーから批判を受け、企業側が謝罪する――といった出来事があるとします。しかし現在はそれではおさまらず、企業自体の経営体制や求人など多大な影響を及ぼすところまでに至る、ということもあります。個人の場合は有名人が標的になりやすいですが、そうでなくても個人を特定され、勤務先などの個人情報まで拡散されてしまうこともあります。

「魔女狩り」との相違点

キャンセル・カルチャーを理解するうえでよく比較されるのが、過去の歴史にもみられる「魔女狩り」です。魔女狩りは主に16世紀から17世紀にかけて行われた社会的・宗教的な背景に基づく迫害のことを指しますが、証拠が不十分であるにも関わらず、多くの無実の人々が処罰されました。
キャンセル・カルチャーにおいても社会的な制裁が行われることが共通点として挙げられますが、魔女狩りは根拠のない迷信や疑いが原因なのに対し、キャンセル・カルチャーは具体的な行動(や言動)に対して行われます。しかしSNS上に並ぶ「怒りや批判の声」はすべて正しい情報かどうかまで検証できないのも事実です。キャンセル・カルチャーが「現代の魔女狩り」と言われる理由がここにあるのかもしれません。

半永久的に残り続ける

キャンセル・カルチャーは今まで何らかの理由によって真相が不明だった出来事に対して風穴を開けたり、問題提起をするきっかけとなり得ることもあります。それはインターネットがない時代よりも、意図的な情報のコントロールが難しいということなのかもしれません。SNS上での批判に対しては特に信頼回復や適切な謝罪、具体的な対策をすみやかに表明したり実施したりすることが求められますが、時間が経っても「なかったこと」にはならないのが現状です。

【著者】
あきまつ
編集・ライター。一児の母。WEB制作周りに興味を持ったのは約20年前。日々進化する新しい技術とドタバタ子育てに悪戦苦闘しながら、おはようからおやすみまで暮らしを見つめています。

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