デジタルまめ知識
あなたのSNSアイコン、大丈夫?
情報収集のために各種SNSを日常的に利用することは今や珍しいことではありませんが、皆さんお使いのSNSアイコンの画像はどのようなものを使っているでしょうか。そして、それはどうやって作りましたか。
大好きなキャラクターのイラスト、推しているアイドルの画像......インターネットの波の中から勝手に拾ってきた経験はありませんか。
もしかしたら「自分に限らず周りの人もやっているけど、それが何か?」と思われる方もいるかもしれません。著作権に関する問題は複雑なので少し分かりづらいのですが、今回は身近な「SNSアイコン」を取り上げて考えてみたいと思います。
キャラクターや著名人の顔が映った画像は、一般的に肖像権や著作権によって保護されています。肖像権は簡単に言うと「個人が自分の顔や姿を無断で利用されない権利」で、無断で使用することで著作権侵害にもなります。著作権というのは「著作物」を創作した「著作者」が、他人に無断で利用されない権利」であり、許容の範囲については著作権法で細かく定められています。
ちなみに、自撮りしたあなた自身の顔写真をアイコンにすることは、画像であっても本人の意思で利用しているので問題はありません。しかしこの画像を誰かが無断で使っていたとしたら、死後70年以上という長い時間を経過しているか、本人が利用OKの意思表示をしない限りは、肖像権や著作権の侵害となります。これはSNS内で載せる画像全般にも言えるのです。
「著作権フリー」と書かれたイラスト・画像を見たことはありませんか。「フリー」と書かれているとなんでもOKと思われがちですが、使用できる条件が明記されているものもあります。たとえば「個人の利用であれば使用してもよいが、業務上の商用としては認めない」「必ず利用前に著者の許諾を取ること」といったルールを設けてもいいからです。そして違反した場合は罰則が発生することも。利用する前に必ず規約を読み、正しく判断することが大切です。
■微妙なラインの画像はどう考えるのかライブやイベントなどで「撮影OK」「SNSにあげてもOK」という企画内で撮った画像なども、事前の指示にて使えるかどうかを判断しましょう。「個人の範囲内で楽しんでください」「SNSの投稿としてはOK」「アイコンにするのはNG」など、条件はそのときによって違います。
また、「自分が所有していて、なおかつ大量生産されているぬいぐるみであればOK」といった分かりづらいケースもありますので「これは大丈夫かな?」と判断に迷うようなときは(その画像は)使わないという選択肢が賢明です。
アイコンとはそもそも「肖像、偶像」という意味なのだそうです。適切なアイコンを利用しているか否かは、その人のデジタルリテラシーを推測される材料にもなります。在宅勤務での自宅パソコン使用、求人に応募するためのSNSアカウント、仕事上でのやり取りなどでSNSを利用するときに「アイコン含めた(自分が)見られている」と思えば、意識せざるを得なくなるでしょう。アイコンは自身の知識に対する「写し鏡」なのかもしれませんね。
【著者】
あきまつ
編集・ライター。一児の母。WEB制作周りに興味を持ったのは約20年前。日々進化する新しい技術とドタバタ子育てに悪戦苦闘しながら、おはようからおやすみまで暮らしを見つめています。