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デジタルまめ知識

ディープ・フェイクを考える

011555.jpg「ディープ・フェイク」という言葉を聞いたことがありますか。何が「ディープ」なのか、なぜ問題として取り上げられることが多いのかを考えてみたいと思います。


■ディープ・フェイクの「ディープ」って?
AI(人工知能)の機械学習技術のひとつに、ディープ・ラーニング(Deep Learning/深層学習)という手法があります。人間の脳の神経ネットワーク構造のように作られており、大量のデータを処理してパターンを学習、それらを何層にもわたって解析することができるため、自然でリアルな映像・音声を生成する技術などに使われています。「ディープ(深層)」というのは、何層にもわたって解析できる、人間よりもはるかに高い能力をもつAIの特徴のひとつを指しているのです。


■「ディープ・フェイク=悪」とは限らない
このディープ・ラーニングにより、たとえ存在しないフェイク(偽物)であっても、本物により近く再現できる技術を「ディープ・フェイク」と呼んでいます。
例えば、現実にはあり得ない過去の歴史上の人物や亡くなった人たち、アニメのキャラクターなどを画面上に立体的に再現できるため、平面画像よりもリアルな体験を得られることが可能です。
もっと身近な例で考えると、在宅で働く人がZoomなどのオンライン会議をする際、背景にさらに立体的な「勤務環境」をおくこともできます。(それが必要かどうかは別ですが......。)また、これらの技術に精通した人は情報を伝える新しい手段を活用できる人材として、今後の仕事や求人につながることも考えられます。


■昔「アイコラ」今「ディープ・フェイク」
必ずしもネガティブな意味ばかりではないディープ・フェイク。ではなぜ、問題として取り上げられることが多いのでしょうか。それは、悪意のある使い方が後を絶たないからです。例えば、誰かの顔や声を無断で使い、あたかもその人が言ったかのように見せかける、実在しない作り話にだまされる、などといった事例です。
ひと昔前に「アイコラ(「アイドルコラージュ」の略。有名人やアイドルの顔画像を別人の体に合成した画像のこと)」で多くの有名人が被害に遭いましたが、アイコラは静止画が中心だったのに対し、ディープ・フェイクは動きや声まで本物そっくりの動画が作れてしまうため、リアルになればなるほどますます見分けがつきにくく、さらに騙されやすくなっています。
倫理観や著作権などの面でもまだまだ法整備が完ぺきではないディープ・フェイク。私たちも顔交換アプリなどでその最先端技術の一端に触れることができますが、使い方には注意を払いたいものですね。

【著者】
あきまつ

編集・ライター。一児の母。WEB制作周りに興味を持ったのは約20年前。日々進化する新しい技術とドタバタ子育てに悪戦苦闘しながら、おはようからおやすみまで暮らしを見つめています。

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